トサミズキは、春先に淡い黄色の花をたくさん咲かせる落葉低木
枝の先端に少し垂れ下がるように連なる花がきれいな、人気のある植物
また、成長が早いため、定期的な剪定が樹形維持のポイントとなります。
この記事では、トサミズキの特徴・植え方・剪定方法について順番にまとめていきます。
特徴
トサミズキの基本的な特徴を簡単にまとめます。
樹 高 : 2~4m
花 期 : 3月~4月
花 色 : 淡い黄色
耐 寒 性: 強い
日照条件 : 日当たり~半日陰を好む
土 壌 : 水はけが良く、適度に湿り気のある土壌
成長速度 : 速い
特徴の詳細
春の庭に最適
トサミズキは早春に咲くため、他の花が少ない時期に庭を明るくします。
年1~2回剪定
成長が早く枝が広がりやすいので、形を整えるための定期的な剪定が必要です。
丈夫で育てやすい
病害虫に比較的強く、初心者でも育てやすい低木です。
見た目がきれい
枝に連なる花や落葉前の紅葉がきれいで、庭に1本でも植えると季節感が出ます。
主な害虫と被害のサイン
トサミズキには以下のような害虫がつくことがあります。
アブラムシ
新芽や若葉に発生し、樹液を吸って植物を弱らせます。
葉や枝がベタつく(アブラムシの排泄物)
カイガラムシ
枝や幹に付着して樹液を吸います。
枝や幹に小さな白や茶色の突起物がある(カイガラムシ)
ハマキムシ
葉を巻き込んで内部を食害します。
葉が巻かれている(ハマキムシ)
虫の対策方法
主につく虫の対処をまとめてみます。
アブラムシの対策
水で流す
強めの水流で葉や枝についているアブラムシを洗い流し追い払います。
捕食昆虫の活用
なかなか難しい方法ですが、テントウムシなどの天敵を増やすことで、自然に駆除できます。
薬剤散布
発生が多い場合、家庭園芸用の殺虫剤を使用しましょう。
カイガラムシの対策
ブラシで除去
枝や幹についているカイガラムシを柔らかいブラシでこすり落とします。
剪定
虫が多い部分を剪定して処分します。
薬剤の塗布
専用薬剤を幹や枝に散布、または塗布することで予防できます。
薬剤にマシン油というものがあり、これを散布すると油の膜で包み込み窒息させます。
ハマキムシの対策
葉の除去
巻かれた葉を見つけたら取り除きます。
気付き
早期発見するために4月~11月の間に葉の状態を見てみてください。
特に夏が活発です。
殺虫剤の使用
被害が広範囲に及んだ場合には殺虫剤を使います。
トレボン乳剤やオルトランなどがありますが、使い方と使用回数などを確認して使用してください。
植え方と増やし方
植え方のポイント
植え付け時期
適期は春(3月~4月)か秋(10月~11月)
植える場所
日当たりが良く、風通しの良い場所が理想です。
極端に風通しが良かったり悪かったり、一日中日陰でなければ大丈夫です。
土壌準備
腐葉土や堆肥を混ぜ、水はけを良くします。
粘性土で水はけが悪い場所だと育たないかもしれませんが、大体のお庭では心配は要りません。
手順
穴を掘る: 根鉢の1.5倍~2倍の大きさの穴を掘ります。
土を準備: 掘り出した土に腐葉土や堆肥を混ぜます。
植え付け: 根鉢を崩さずに穴に置き、根鉢の上面が地面と同じ高さになるようにします。
水やり : 植え付け後にたっぷりと水をあげます。
水やりは、植えた穴から水が溢れるまであげてください。
水をあげながら木を揺らすと、根鉢全体に水が回りやすいです。
これをやることで土の中の空気が抜けて、根と土がしっかりとくっつくため、栄養を吸いやすくできます。
木が枯れにくく育ちやすい植え方です。
増やし方
トサミズキは主に挿し木で増やします。
挿し木の時期: 6月~7月
挿し木の方法: 健康な枝を10~15cmくらいの長さで切り取り、発根促進剤を使用して湿った土に挿す
プランターや地面でも大丈夫です。
乾きが天敵なので、一日1~2回は水をあげてください。
剪定の時期と方法
トサミズキは、自然な樹形を保ったり刈り込み風に小さく剪定しても大丈夫です。
枝が密集しやすいので、剪定で枝の透け具合を好みに合うよう調整してみましょう。
剪定の時期
冬(12月~2月) : 休眠期に行う剪定は強めも可。
春(花後5~6月): 形を整える軽い剪定。
剪定の手順
枯れ枝や病害枝を除去
枯れた枝や病気の枝を最初に取り除きます。
徒長枝を剪定
長く伸びすぎた枝を1/3程度の長さに切ります。
混み合った部分を間引き
密集した枝を切り、風通しを確保します。
具体的な剪定方法
飛び出している枝を切る
飛び出して見える枝を切ります。
先端を切るだけでも大丈夫です。
小さな苗を植えた場合は、まだまだ将来の形が決まらないと思うので、先端を切っておいて栄養を分散させることで枝を増やすことができます。
外向きの芽を残す
切る位置は幹から見て外向きの芽の上で切ると、横に広がりやすくなり形を整えながらきれいにしていけます。
これにより自然な広がりを作ることができます。
三本枝がある真ん中を切る
枝と枝の間にある枝を切るだけで透かすことができます。
枝の太さにかかわらず使える便利な方法です。
この方法は剪定の基本ですが分かりにくい場合は、ホームページトップに剪定に必要な道具や知識をまとめてあります。
交差した枝を切る
枝が交差している部分を整理します。
枝がぶつかり合っていると皮がむけてしまう場合があります。
また、枝が混み合いやすくなってしまうので、重なっている枝はどちらかを元から切るか枝分かれで切るようにしましょう。
残す枝は横向きになるようにしますが、上に行くにしたがって上向きに二本の枝を残します。
下向きの枝を切る
樹形を崩す枝は取り除きましょう。
枝の下から出ている枝を放っておくと、そこより下の枝が弱ったりさらに下の枝に影響が出たりします。
自然な感じを作りたい場合は無い方が良いですが、枝を垂らして作りたい場合は残しても大丈夫です。
離れて見てみる
全体の形をイメージしたり観察しながら理想に近い形を作ってみてください。
まとめ
トサミズキは成長が早いことから定期的な剪定が必要にはなりますが、四季を感じる低木だと思います。
特徴的な花が魅力的ですよね。
結構丈夫な性質のため、多くの庭に適しています。
成長が早く剪定にも強めなので、枝を切ることに慣れる練習にもなると思います。
「枝を切ること」はなかなか勇気が必要ですが、楽しみながら剪定に慣れていってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
トサミズキの栽培や剪定に挑戦する際に、この記事がお役に立てれば幸いです。
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