【剪定の基本】ほとんどの植木手入れが出来るようになるコツ【中級編②】の続きです。
今回は「間延び(まのび)・枝枯れ(えだがれ)・幹の太らせ方」などについて書いていきます。
何回剪定しても必ず間延びが出来てしまう場合、樹形が乱れやすく切り口も大きくなってしまいます。
なるべく間延びをなくしていきましょう。
それぞれの枝に元気を与えるために、4~5年に一度根を掘るもしくは、切る方法があります。
このような良いことがあります。
間延び・枝枯れなどの問題も、もしかしたら解決できるかもしれません。
【剪定の基本】ほとんどの植木手入れが出来るようになるコツ【上級編①】
間延び(まのび)・枝枯れ
枝が長く伸びて芽と芽の間隔が開いてしまうことを「間延び」といいます。
可能性としてあげられるのは、、
- 枝数が少ないため栄養が集中して長く伸びてしまう
- 細かい根がない
- 土の状態の悪化
などが考えられます。
間延びをして先の方に栄養が偏ると、幹の近くに新しい枝が出にくくなったり、枯れ枝が増えたりしてしまいます。
枯葉や枯れ枝があると虫が住みやすい環境を作ってしまうので、枯れ枝を少なくするのが理想です。
対策
枝の数が少ないため伸びてしまう場合は、幹や幹の近くの枝から出ている新しい芽を残して、枝の数を増やしてあげます。
栄養が、根⇒幹⇒枝⇒小枝⇒芽へと流れていくイメージです。
剪定するときは長く出ている枝を途中で切ると、切り口かその枝の元の辺りから新しい芽が出て栄養の分散をさせることもできます。
細かい根が少なく太い根が長く伸びていると、それに合わせて枝も長くなる場合があります。
水面に映る木のように、枝と根が同じようなバランスで伸びていきます。上下のバランスを保つために根を切り、枝を剪定すると間延びが治る場合があります。
根を切る時は切りすぎないように気を付けましょう。
根をいじめると木が若返る
根をいじめるとは、、
根を切って新しい細根を増やし栄養を吸収しやすくすること
もしくは、吸収できる栄養の量を調整すること
木にとってかなり重要なことです。
人間がご飯を食べて、栄養バランスを気にするのと一緒ですね。
例えば大きな枝をたくさん切ったとすると、葉が極端に少なくなり吸い上げた水分を蒸散できなくなります。
そうすると幹に溜まった水分の逃げ場がなくなるけど、根は吸い上げ続けます。
どんどん溜まった水分に、腐りが入り始めるとやがて空洞ができてしまいます。
枯れたり倒れてしまうかもしれない心配もありますね。
それをなるべく無くすための「根をいじめる」が必要です。
簡単な根の切り方
やり方は色々ありますが一番簡単な方法は、掘らないでスコップを刺すだけでも効果があります。
刺す位置は、太い根を切らなくて大丈夫なくらい幹から離れたところにすると楽です。
剪定する前の枝が張っている真下辺りが根の先端近くなので、その少し中を狙っていきます。
それだけで栄養を吸う細根が切れて調整ができると思います。
根は見えない地面の中にあるし、どこの根がどの枝の栄養を吸収しているかもわからないので、予想になりますが大体で大丈夫です。
やらないよりやった方が良いです。
ちょっと手間にはなりますが、大事なことなので試してみてください。
根をいじめないで幹を太らせる
時期や樹種によって、根を切らないで幹を太らせることができます。
サツキなどの盆栽は暖かくなる頃に、一番上の枝を残しそれ以外の枝を幹から切ることで栄養を蓄えさせて太らせます。
幹が太くなると堂々とした見た目になり格好良くなりますね。
盆栽に限らず強く切ると幹を太らせることができます。
マツなどの針葉樹は芽がなくなると枯れてしまうのでぶつ切りにできません。
なので、枯れないようにしながら芽の数を減らして栄養を蓄積すれば太らせることができます。
落葉樹は、落葉している時にぶつ切りにしたり枝の数を減らすことで幹が太っていきます。
この特性を活かせれば、なるべく現状維持させたり太らせたりできそうですね。
特性を活かし成長を調整
なかなか大変ですがなるべく現状維持させる方法は、、
- 枝数を減らさない
- 細かい枝をなるべく残す
- 枝分かれを幹の近くにする
- 中の方の細かい枝を全て取らない
このような感じで、手入れをします。
枝や芽を多く残して栄養を分散させるのと、若い芽に日を当てるよう透かす剪定です。
枝をいっぱい切ると、跳ね返りで太く長い枝が伸びてしまうのであまり切りすぎない「程良さ」が必要になります。
剪定しようとしている木がどのように見えたらきれいかを想像しながら剪定して、作業途中も離れた位置から眺めて微調整して仕上げてみましょう。
幹を太らせたい場合は、、
- 常緑なら三月ごろの暖かくなる頃、落葉なら落葉期にぶつ切りか枝数を半分くらいにする
- 細かい枝なら少し残しておいても大丈夫
です。
常緑樹の場合は、ぶつ切りにした枝が枯れる可能性はありますが、幹に近いところから新しい枝が出たりします。
暖かくなる時期にぶつ切りにするのは、次のような理由があり、、
- 切り口が隠れやすい
- 栄養を吸い上げて回復が早い
この二つが大事で、新しい葉が出て切り口が早く隠れることで日陰になり渇きや日焼けを最小限にしようとするためと、切られてから回復までの時間が短いほどカルスができやすいからです。
カルスとは、傷口を覆うための新しい樹皮です。
切り口がなるべく早く隠れることで、渇きや菌から守る防衛手段です。
「いっぱい切られたから守らないと!」という感じです。
サクラはカルスができないため切り口が見えっぱなしになります。
そのため、サクラは切ってはいけないと言われています。
でも切らないとどんどん大きくなってしまうので、手入れをします。
小枝は大丈夫なので大き目の切り口には「トップジンⅯペースト・カルスメイト」などのカルスの代わりをしてくれる塗り薬があります。
これを塗らないとそこから腐りが入り幹の中がコルク状になり、やがてフワフワ・スカスカになって虫の住処になったり倒れる危険が出てきます。
「塗り薬」はホームセンターにも売っていますが、念のため下にリンクを貼っておきます。
強く切るには色々な注意が必要ですね。
幹を太らせるため強く切る時に注意することは、、
- カルスができる木か見てみる
- 樹種に合った時期は適切か調べる
- 強く切っても良いと思える
- 将来のイメージがある
- 切る勇気
まず切る前にその木がカルスができる木か見てみるか、最初から塗り薬を買っておいて剪定を始めましょう。
一つ持っていれば気持ちも楽になりますね。
樹種に合った時期に切るように気を付ければ枯れてしまうかもしれないという心配もかなり減ると思います。
「樹種に合った時期だから大丈夫!」と思えなければ切るのをためらってしまいますよね。
もしものことを考えるとなかなか切れない場合は、将来のイメージを強くすると切る勇気が出ると思います。
「将来はこうしたい」とイメージをしておくことで、形を作るための勇気になると思います。
枯れるのが心配な場合は、とりあえず目立たない枝を一本強く切って具合を見ておくと気持ちが楽になると思います。
試してみたり実験することは、自分の知識になるから良いことだと思います。
自信もつくし楽しみにもなりますね。
これらのことに気を付けながら自分のやってみたいようにやるのが庭の楽しみだと思っています。
簡単にまとめます
今回のまとめをなるべく簡単に書くと、、
木が生きているのは地面の中が深く関係しています。
見えない部分ですが幹や枝や葉などの見えている部分に違いが現れます。
その違いが木の性格の違いかもしれません。
でも、昔から伝わる色々な技術を活かせば自分の理想とする形や仕上がりを目指すことができると思います。
木の性格を変えるわけではなく、それを使った形づくりが出来るようになると「共存できているのかも」と思えそうです。
形づくりの途中で剪定だけではどうにもならないことがあるかもしれないので、その時に根をいじめたりすると変わる場合もあります。
自分の庭の木だけど分からないことがたくさんあるかもしれません。
なので、観察したり試したりすることが大事だと思います。
何か行動してみないと何も掴めないと思うので、行動することが大事です。
時間がかかるかもしれないですが、その木に合った色々な方法が見つかると思います。
今回は剪定よりも難しい性質や性格のことについて書いてみましたが、「この木はこの方法だ」と決めつけないで色々な方法を試しながら覚えていくのが楽しみと知識の広さにつながります。
昔からある手順や方法を自分流に変えてみるのは、理想を求めるうえで必要なことだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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