モミジの剪定は難しいと感じてしまうかもしれないですが、簡単になる方法や考え方があるので紹介していきたいと思います。






ここで紹介するのは、イロハモミジ・ノムラモミジ・ヤマモミジ・シダレモミジなどの一般家庭に良くあるものです。
これらに共通する剪定方法2種類は
- 枝を途中で切らない、自然形の手入れ
- 刈り込みではなく枝を途中で切り、一枝一玉(ひとえだひとたま)に仕上げる手入れ
この2種類の手入れの方法は、全く違う仕上がりになります。
自然形の手入れは、枝が多少長くなりますが形が整いきれいになります。
一枝一玉の手入れは、刈り込みとは全く別で一玉の集合体で全体の形を作ります。
この2つの違いと剪定方法を書いていきます。
手入れをするモミジを想像して、どちらの手入れがいいのかを決めてみましょう。
モミジ類の剪定 切ってもいい時期にきれいにする2種類の手入れのやり方
- 仕立て方 自然系・株立ち・高木半球形
- 耐陰性 普通
- 耐寒性 強い
- 剪定 強め
- 虫 主にイラガ(デンキムシ)
モミジはすごく種類が多いですが、一般的には葉が小さく秋に赤く染まる紅葉を楽しむものを総称でモミジと言うようです。
基本的には自然樹形を楽しみますが、剪定の仕方は自由で大きくしたり小さくしたりは融通が利きやすい木です。
夏の剪定はしなくてもいいですが、する場合は幹や太い枝から出ている細い枝を手でむしる程度にしましょう。
その際、イラガには十分注意してください。
剪定する時期
11~2月に剪定をすればイラガに触る危険がなくなります。
紅葉が終わり、風に吹かれ落葉するモミジもきれいですね。
11月はまだ葉が付いていると思うので、葉を残しながら剪定すれば落葉まで見られます。
落ち葉の片付けが大変な場合は、剪定しながらむしって大丈夫です。
1月・2月頃にはすべての葉が落ちて枝がほぼ見えてると思うので剪定が簡単です。
風邪をひかないように寒さ対策をしましょう。
剪定時期はこのような好みで決めましょう。
共通する剪定方法
- 不要枝(ふようえだ)を切る
- 枝分かれしているところで切る(真ん中を切る)
- 枝や葉っぱが重なっている部分は枝の数を減らし透かす
- 仕上がりを眺めてみる
この4つです。
不要枝(ふようえだ)を切る

不要枝は木にとって無い方がいい枝ですが、モミジの場合は形を作るうえで残しておく枝もあります。
好みが分かれるところです。
- 枝を作りたい部分がある
- 将来的に小さくしたい
- 形を変えたい
このような場合のために枝を使います。
枝を作りたい部分がある
木の全体を見て部分的に隙間が大きすぎたり枝が枯れてしまった場合には、胴吹きを残しておいて隙間を埋めるための枝を作りましょう。
毎年剪定の時に、その隙間の方に向いている枝を残して伸ばしていくようにしましょう。
モミジは成長が早いので2~3年くらいでいい枝(太い枝)になります。
将来的に小さくしたい


これも胴吹きを使ってもいいのですが、小さくするために大きな枝を幹のところで切るためオススメはできません。
なので枝の途中から出ている小枝を残して育てていきます。
この時の剪定は、小枝より先の方は少しだけ強めにすると小枝に栄養が行きやすくなります。
残した小枝が成長した頃に、そこから先を切ることで小さくできます。
形を変えたい
思い切って形を変えたい時は不要枝がほぼありません。
ノコギリで幹を途中から切るとか、幹の地際から出ているやご・ひこばえを残して今の木と入れ替えるか株立ちにするかなどやり方は色々あります。
このように不要枝の有無は作りたい形や剪定方法で変わります。
大体の木がどんな形にもできるので遊びながらやってみるのも面白いと思います。
大きな枝を切る時にちょっと注意が必要なので、下の記事を参考にしてください。
ノコギリで太い枝を切る時の注意などが書いてあります。
枝分かれしているところで切る(真ん中を切る)

モミジの性質は対生(たいせい)といって、枝が左右対称に伸びていきます。
なので、ふたまたを作るのが楽な木です。
どの木をやる時も大体が真ん中を切り枝を2本残すようにして仕上げていきます。
伸びてほしくない方向の枝は、途中で切るか元から切ります。
枝や葉が重なっている部分は透かす


枝同士がぶつかっている時はどちらか片方を元から切ります。
葉が生い茂っている場合は、小枝を少なくして風通しを良くします。
仕上がったら眺めてみる
手入れの最後に眺めてみましょう。
近くでは気付けなかった部分が見えてくると思います。
枝が、✕←こんな感じで交差していたらどちらか一方を途中か元から切りましょう。
全てがきれいになったと思ったら満足したり次の手入れの改善点などを探して理想に近づけていきましょう。
下に基本の剪定方法を書いた記事を貼っておきますので、参考にしていただけたら幸いです。
剪定の仕方の違い
共通の手入れを元にした剪定の違いを書いていきます。
自然系の手入れ

自然形の手入れは1本の枝の形が少し細長くなります。

1本の枝がこんな感じで成長させて全体の形を作っていきます。
この手入れのメリット
枝を切る回数が少なくて済む。
モミジ本来の姿に近い形を維持できる。
一枝一玉の手入れ

一枝一玉の剪定では少し丸みが出ます。

幹から外向きの枝を残して育てていきます。
この手入れのメリット

丸みがあり柔らかい印象になる。
枝を垂れさせるのが簡単になる。
切るところはほとんど変わらないので、この2つの手入れのメリットから好みの手入れを見つけてみてください。
シダレモミジの手入れ

シダレモミジも剪定方法は変わりません。

同じモミジの仲間なので枝の出方も対生です。
なので基本的には、強く伸びている真ん中を枝分かれのところで切り細かい枝を剪定して透かします。
やり残しがないように端から順番に仕上げていきましょう。

シダレモミジも上の2種類の手入れが使えるので気に入った手入れや形を見つけてみてください。






おまけ【二色モミジの作り方】
- 1つの枝だけ赤い葉っぱ
- 幹がくっついて二色
ちょっといたずらですが、面白い自分好みのモミジを作れます。


こんな感じでくっつけます。
上の画像では、緑の葉がヤマモミジ、赤い葉がノムラモミジです。
大きくなる前にくっつけておくと楽にできます。
時期や期間と手順は次の通りです。
- 時期は4~6月の間に仕込む
- そのまま2~3ヶ月間おく(鉢植えの場合は水を上げて下さい)
- 枝同士がくっついたら切り離す
- 二色モミジができる
色々な組み合わせで試してみてください。
自分好みのモミジを作れれば木の手入れが楽しくなると思います。
まとめ
- 夏は剪定しなくても大丈夫
- やるなら幹や太い枝の小枝を手でむしるくらい
- イラガに気を付ける
- 剪定時期は11~2月頃
- 落ち葉が嫌な時は剪定の時にむしる
夏は日陰が多くないと木の根元が乾くだけではなく、地面の温度が高くなって庭の気温が暑くなるのでやらなくてもいいと思っています。
何より暑さで参ってしまうので…。
- 剪定をする場合は不要枝を切る
- 枝を作る場合や形を変える場合は必要な枝を残す
- 枝分かれしている真ん中を切り、伸ばしたくない方向の枝も切る
- 枝や葉が重なっているところは枝数を減らして透かす
- 仕上がったら眺めて満足したり改善点を見つけたりする
剪定で大事なのは切り方かもしれませんが、基本はあっても正解はないので「基本の手入れを覚えて、あとは人それぞれの感性で自由に仕上げる」ことだと思います。
あれはダメ、これはダメっていうのはただ基本が出来ていないためだと思うので、基本を押さえて遊び感覚で剪定をすると新たな発見があります。
なので2つの手入れのどちらが正解というわけではないので、周りの景観や自分の好みに合わせて手入れをしましょう。
読んでいただいた方の知識や技術にしていただけたら嬉しく思います。
シダレモミジ剪定の解説動画
この動画では【基本の剪定】を使って作業をしています。
見ていただいた方の知識になったら嬉しいです。
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