ウメの剪定方法 樹形の違いを図解で バッサリ切っても大丈夫です

ウメは枝がたくさん伸びるし、とても固く切るのが大変な木ですが、やり方や考え方でだいぶ楽になります。

どんなことをすると楽になるのかは次の通りです。

やり方と考え方
  • 木の見た目を維持しながら太い枝を切る
  • 枝が垂れるように作り、一枝一玉(ひとえだひとたま)にする
  • 実が採りやすいように高くしない
  • 枝の数を減らしてみる
  • 枝の色を見る
  • 場合によっては思い切って幹を切る

この辺りを意識した切り方と考え方をひとつずつ書いていきます。

それと、ウメは虫が付きやすい木なので殺虫剤散布についても説明します。

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ウメの剪定 見た目を良くしながら花や実を楽しむ方法

まずはウメの特徴を見てみます。

特徴

ウメはこんな木
  • 花の色  白・ピンク・赤
  • 仕立て方 自然形・段づくり・大きな丸形
  • 耐陰性  やや弱い
  • 耐寒性  強い
  • 耐剪定  強い
  • 虫    多い

1~3月ごろに新しい枝がピンクや白の小さな花でイッパイになり、庭を彩ってくれる日本人が好きな木のひとつです。

花は新しい枝に複数ある花芽から咲くため、花芽を残しながら手入れします。

小さくしたいために強く切る場合は気にしなくて大丈夫です。

ウメはとても強い木です。新しい枝が伸びれば花が咲きます。

虫への対処

虫の出る時期は、年二~三回くらい発生する可能性があります。

対処は捕殺か殺虫剤散布で対処します。

アメリカシロヒトリが発生する時は、葉が白く見えるほどの糸の塊の中で卵が羽化するので発見しやすいのでその部分を切り取り、踏みつぶして袋に入れ絶対に外に出ないように縛り捨てましょう。

イラガ(デンキムシ)は発生してからだと見えにくくなってしまうので、冬の間に幹や枝に張り付いている白と茶色のしま模様のような卵を発見したら、木バサミで切るか剪定ばさみなどで叩き割ると退治できます。

モンクロシャチホコも発生すると葉がほとんどなくなり、落葉前に丸坊主に近い状態にされてしまいます。
かなり大きい毛虫なので見つけやすいので捕まえて倒すのは楽かもしれません。

赤・白のアブラムシやカイガラムシ・樹皮の下に隠れる虫がついてしまう場合は、ブラシでこすったり木づちで軽くトントン叩いて倒してもいいと思います。

これらは発見が遅れるとものすごい勢いで拡散していきます。

その場合は殺虫剤を使うのですが、散布機(噴霧機・ふんむき)が必要になります。

薬を撒く場合は、一年~二年おきに分けて使う方が効果が出ます。
ずっと同じ薬を使い続けると耐性が高くなり効かなくなってきます。

とりあえずあると便利な薬剤は「トレボン500ml・トランスフォームフロアブル250ml」があれば最低限だと思います。
両方とも倍率は1000~4000倍で使えるのですが、使う時は2000倍と覚えておけば大体は大丈夫です。

薬剤については、結構な知識が必要になってきますので、詳しく書いた記事を更新したらこの下にリンクを貼る予定ですので、お時間をいただきます。

剪定する時期

11~6月と剪定可能時期は広めです。花芽があれば毎年花が咲きます。

11月に手入れをすれば枝が伸びない期間が一番長いため、きれいな形が長くなります。

6月に実を採り11月に剪定をするサイクルですが、剪定可能時期の時間が取れる時にやってみましょう。

無理は禁物です。

剪定で使う道具

使う道具は
  • 木バサミ
  • 剪定バサミ(せんてい)
  • ノコギリ
  • 脚立
  • ブルーシート
  • くまで・ほうき・み(ちりとり)
  • 小さく作り直す場合は、チェーンソー

腰道具(剪定3点セット)

使う道具・腰道具3点セット
腰道具3点セット

腰道具(こしどうぐ)があるとすごく便利です。

腰道具とは、ベルトに木バサミ(きばさみ)・剪定バサミ・ノコギリをしまうケースがついている物です。

植木の手入れの時は腰道具をつけると、ハサミを出して枝を切ってすぐにしまって両手が使えるし、失くなったりしないのでセットで持っておくととても楽です。

ケース(素材は皮やプラスチック)は別売りの物や鋏とセットで売っています。ベルトは専用の物もありますが、幅が広すぎなければ普段使っているもので大丈夫です。

脚立(木の大きさに合ったもの)

使う道具・脚立
6尺の脚立

脚立は大は小を兼ねる訳ではなく、木に合ったものを使う方がやり易く効率がいいです。

刈り込みの時は特に、刈り込みバサミの柄が当たったり電動ヘッジトリマーのコードや持つところが当たって、やりづらかったり危なかったりします。

大きさの合ったものを使い安全に効率良く作業しましょう。

ブルーシート(大きめ)

ブルーシートは、大は小を兼ねます。

ウメは剪定した枝が散らかると掃除が大変になるので、ブルーシートを敷いてから剪定を始めると簡単にひとまとめにできます。

大きめの物でも安いので、木の大きさに合わせた枚数あるととても便利です。

くまで・ほうき・み(掃除3点セット)

使う道具・熊手・ほうき・み
掃除道具

くまではアルミとプラスチックの2種類です。
アルミは大きな枝、プラスチックは細かい枝で使うと便利です。

道具に関しては下の記事にオススメを含めてまとめておきましたので、参考にしていただけたらと思います。

手入れをする前に仕上がりをイメージする・不要枝を探す

全部の剪定のやり方で共通のこの2つをやっておくと剪定が簡単になりやすいです。

仕上がりのイメージ

剪定イメージ
仕上がりのイメージ

どの木でもイメージが大事になります。

なんとなくでもどのくらいの大きさにしようか決めておくと、枝を切る位置が分かりやすくなります。

いきなり切り始めると大きさが分からなくなり手が止まってしまうことがあるからです。

なので「この辺かなぁ」くらいのラフなイメージでもしておくと気持ち的にも楽になります。

不要枝を探す

不要枝の種類
不要枝の種類

見つけられたらそれはいらない枝です。

元から切るだけで結構さっぱりさせることができるし、手元が透けて見やすくなるので効率も良くなります。

作業を流れよく終わらせると体の負担も減らせるので、ざっとでも先に見つけておくようにしましょう。

下の記事では剪定をなるべく簡単にする基本を書きましたので、知識にしていただけたら嬉しいです。

目的別の剪定方法

ウメ剪定・切り方
ウメ剪定の基本はこんな感じです
こんな感じにしたいなぁ
  • 大きくてもかまわないから見た目をきれいに
  • ある程度の大きさで、眺めたり実を採ったり
  • 形はあまり気にしないけど実を採りやすくサッパリ
  • 思い切り小さくして作り直しながら実を採りやすく

この4つの剪定方法に共通するのが「一枝一玉」になる手入れです。

ぶつ切りにしても、思い切り小さくしても、将来的には一枝一玉にしていきます。

一枝一玉とは

幹から伸びた主な枝から二本に分かれ、その先端部分で枝の集合体の丸を作ることです。

木の大きさにより枝分かれの回数が変わります。

ウメ剪定・一枝一玉
一枝一玉の例

上の画像のように変わってきます。

これを踏まえて剪定方法を解説していきます。

大きくてもかまわないから見た目をきれいに

ウメ剪定・大きくてもきれいに
大きさはそのままで枝を抜いていく

この手入れの場合は、不要枝と枝先の太い枝を元から切り、飛び出している細かい枝を花芽のあるところで切って完了です。

一玉が大きくなるのでハサミが届きにくいところもあると思うので、脚立の上でバランスを崩さないように気を付けながら剪定しましょう。

届かなくて危ないところは、その枝を途中の小枝のあるところか元から切った方がいいかもしれません。

安全に作業ができて、きれいに仕上がるようにした方がいいからです。

ある程度の大きさで、眺めたり実を採ったり

木が大きくなり枝が上ばかり向いて見た目が悪くなっていたり、実が採りづらい時は幹を一段下げて作り直しをしてみましょう。

この剪定は形も気にしながら花芽もちゃんと残すようにするため、剪定の基本を使いながらやります。

ウメ剪定・見た目良く小さく
ある程度の大きさにして作り直す

剪定の基本は「枝が三本あったら真ん中を切る」を意識します。
真ん中を切ったわきから伸びている枝は、花芽が残るところで切ります。

この切り方を一枝ずつ切り残しがないようにやっていきましょう。

花芽の残し具合は残しすぎないように切ると不要枝になりにくいです。

形はあまり気にしないけど実を採りやすくサッパリ

ウメ剪定・実を採りやすく
形は気にしない、実を採りやすくする

この剪定は見た目より用途を優先しています。

低い枝を残して、普通に立っている状態か低い脚立で簡単に届くくらいの高さにします。

平らっぽくなってしまいますが、実を集めるには楽になります。

横幅が伸びてしまう場合には、中の方の小枝を育てて今ある太い枝と入れ替えれば小さくできます。

柔軟な考えで自分の好きな形にできるので、将来を想像しながらやるのが楽しいと思います。

思い切り小さくして作り直しながら実を採りやすく

ウメ剪定・思いきり小さく
幹を切ると下が元気になる
ウメ剪定・作り直し
赤い線で切って、伸びたウメ

この剪定は、ほぼ伐採になってしまいます。

不要枝の中にある「やご・ひこばえ・胴吹き」を残して幹を切ります。

かなり思い切った事だと思いますが、これでもウメは生きてくれるほど強いです。

気を付けるポイントは、切り口を少しだけ斜めにすることです。

どの木もそうですが、幹を切る時は勾配を付けて水が少しでも溜まりにくくして、腐りがなるべく入らないようにしましょう。

あとは残った枝を自分好みに育てていくだけなので、手入れ的には一番簡単かもしれないですが、片付けはかなり大変になってしまいます。

片付けについては下の記事内の下の方に「片付けのやり方・考え方」というところで詳しく書いてありますので、お手数おかけしてしまいますが参考にしていただけたらと思います。

おまけとまとめ

おまけ

かなり昔から言われている、ウメの剪定に関しての言葉が、
「ウメの剪定は裸で登れるくらいにしろ」
この言葉の真意は、ウメは胴吹きや立ち枝が多いので不要枝がなくスッキリしていて、襖に描かれているような形がきれいという感じです。

かなり透けていて枝ごとに玉になっているイメージなので、裸で木登りしても怪我をしなそうですね。
でも、絶対に服は着ましょう。

まとめ

ウメは剪定に強い木なので不要な枝は元から切ってしまいましょう。
形をきれいに保ちながら実も採れるのが完成形だと思います。

大事な部分を箇条書き
  • 6月に実を採り11月に剪定のサイクル
  • 11月に剪定できなければ6月までにやる(無理せず時間のある時に)
  • 今現在の不要枝を切る
  • 将来的に不要枝になりそうな枝は、元から切るか迷ったら剪定して次の手入れで決めてみる
  • 枝が三本あったら真ん中を切り、わきから出ている枝は花芽のすぐ上で切る
  • 一枝で一玉に統一してみる
  • 大きすぎると思ったら丁度いいところまで切ってみるのもあり
  • 不要枝の「やご・ひこばえ・胴吹き」を残して幹を切ればものすごく小さくできる
  • 虫の発見を早めにするためにも剪定が必要

この辺を意識してみると「意外と簡単かも」って思ってもらえるかもしれないです。

この他にもものすごくちゃんとした、基本に忠実で完璧に近い方法はありますが、一本一本の木にそれだけの気を使った場合他のことがおろそかになってしまう可能性があります。

自分や家族・友人との時間を取りながらやれるような剪定が人生には理想なのかもしれません。

人それぞれの価値観で変わるので、一番自分に合う方法・環境に適した方法の選択が必要になりますが、柔らかい判断で自分や周りに負担のかからないやり方でやってみるのが良いと思います。

このブログでは剪定のほかにも、庭に関することを書き進めています。

更新は遅いかもしれませんが、少しずつでも読んでいただいた方の力になれればと思い経験を書きます。

ホームに戻っていただければ、剪定に使う道具や手入れの方法・片付け方等手順ごとに書いてありますので、読んで知識や技術にしていただけたら嬉しいです。

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