今回は「ゴヨウマツ」を強めに切って形を作るように剪定してみました。
ほとんどの樹種で同じような切り方ができるので、基本として覚えておくと応用が利きやすくなります。
剪定前と完了は、、
こんな感じです。
上の画像の剪定目標は、、
・少しでも形を整える
・太い枝はなるべく元から抜く
・細い枝はあまり切らない
剪定の方法は、、
・なるべく上から剪定する
・邪魔な枝は先になくす
・脚立は剪定する方向に一本足を向ける
・上に向く太い枝をなくす
・枯葉、枯れ枝をなくす
・三本もしくは複数ある枝の真ん中を切る
これを元に剪定していきます。
ゴヨウマツは見た目がかなり変わりましたが、それほど難しい切り方はしていないので気楽にやってみましょう。
イメージがしやすいように画像を貼りながら一つずつ書いていきますね。
これから剪定しようとしている木を想像しながら読んでみてください。
なるべく簡単に剪定するための考え方【基本が分かれば大体できます】
剪定は、上から作業すると楽になります。
一番上の枝を切ると下の枝に引っかかるので、それを落としながら剪定していけば上から下まで一回できれいになります。
それと、一番上が決まるとそれに合わせて葉の濃さや横幅が同時に決まるので作業の流れを作りやすくなります。
剪定する順序が決まっているとペースが速くなり体力的にも楽になりますね。
体に負担がかからないのがとても大事です。
疲れると焦りや注意が散漫になりケガをしやすくなったりしてしまいます。
疲れにくくケガをしないように作業をするためにとても大事なことなので、このやり方を元に安全な方法でなるべく簡単な剪定をまとめていきます。
形を整える剪定目標で見えること
その木がどのように見えたらきれいかを想像します。
長い間放っておいた木は元の形に戻らないかもしれないので、「なんとなくこんな感じだったかも」とイメージするだけで大丈夫です。
輪郭を分かりやすくするために、少し離れたところから眺めて飛び出している枝を手で隠したりしてもわかりやすいと思います。
これをやっておくと、、
・どの枝がいらないか
・どの枝が飛び出しているか
・剪定する時の迷いが減る
このようなことが分かりやすくなってきます。
いきなり切り始めようと木の目の前まで行くと、どれを切ったらいいんだろう?となってしまうかもしれないので、最初にこれをやっておくと後が楽になります。
イメージが決まったら…
なるべく上から剪定するけど、邪魔な枝は先に切る
なるべくというのは、脚立を立てる時に邪魔になる枝は最初に切って作業をやりやすくするということです。
絶対に上からやらなければいけないわけではないので、臨機応変で大丈夫です。
主に安全のためです。
邪魔な枝は、、
・脚立が立てられない
・切りたいところに手が届かない
・必要ではない
これらの枝は最初に切っておくと安全になるし楽にもなります。
三本足の脚立を立てる時は、一本足の方を剪定する方向に向けるとブレが少なくなり安全になりやすいです。
木の幹に向けて立てた場合は、枝の隙間を狙って一本足を入れると木の先端部分に近づくことができます。
この時に邪魔な枝を切る感じですね。
ある程度の立てにくさはしょうがないですが、立てられないとなると手入れができないから切っておくと将来的にも剪定がやりやすくなります。
邪魔な枝・いらない枝がなくなったら…
上に向く太い枝を切る
木のどの位置でも上に向く太い枝はいらない可能性が高いです。
上に伸びる枝が上の枝の邪魔をしてしまうからですね。
それによる影響は、、
・枝同士が張り付く
・成長の邪魔
・剪定のやりづらさ
絡み合う枝はお互いの成長を邪魔してしまい、最終的には枝同士が張り付いてしまいその部分は皮が無くなり折れやすくなったりしてしまいます。
お互いに絡み合っているため中の方に若い芽や枝が出なくなり、間延びをして小さくまとめるのができなくなり見た目が悪くなりやすいです。
間延びすると手入れもやりにくい場合が多いです。
絡み合う枝の間に手やハサミが入りにくく剪定を難しくします。
いろいろな理由はありますが「絡み合う枝はない方が、今も将来的にも良さそう」ですね。
惑わせるわけではないのですが、その木の性質上上向きに伸びながら形を作る木であればそれに逆らわず剪定することが大事だと思います。
木はどんな形にもできますので、この記事の一番下に剪定に関するリンクを貼っておきますね。
読んでいただいた方のヒントになれたら嬉しいです。
上向きの太い枝を整理できたら…
枯葉・枯れ枝をなくす
枯葉と枯れ枝を取り除くとそれだけでかなりスッキリします。
どこを切るかわからない場合は、とりあえず枯葉・枯れ枝を無くしてみるとかなり見やすくでき、作業をやりやすくすることができます。
剪定しようとしている枝が見えにくいと、、
・時間がかかる
・切る場所を探すのに疲れる
こんな問題が出てきます。
見えないものを探すのは時間もかかるし面倒になって精神的に疲れますよね。
その苦労をなくすために、幹に近い奥の方も自分に近い枝の方も枯葉・枯れ枝はなくしておきましょう。
スッキリして見えやすく探す手間が減りスムーズに手入れをしていけるはずです。
手元が見やすくなったら…
三本もしくは複数ある枝の真ん中を切る
枝先の手入れをやっていきましょう。
この時にも輪郭を気にしながら剪定する必要があるので、いらない枝がまだある可能性があります。
ここでもいらない枝。どんな枝がいらない枝?
どんな枝がいらない枝かは、、
・奥から伸びる絡み枝
・間延び
この二つはない方が見た目が良くなりそうです。
幹の近くから他の枝にぶつかったり絡んだりしながら、剪定のイメージの輪郭の外まで伸びている枝はいらないかもしれません。
いらない「かも」というのは、逆にその枝を残して育てることで形を整えたり小さくまとめることができるかもしれないからです。
絡み合う枝のどちらを残すかは自由ですが、一気に切るのが心配な場合は枝先から少しずつ詰めて具合の良い方を残してみましょう。
間延びは、見た目の悪さと剪定のやりづらさに思いきり影響するので、無い方がいいかなと思います。
先端はどこを切る?
先端の細かい枝を切る時の目安は、、
・三本もしくは複数ある枝の真ん中を切る
・場合によっては真ん中ではない時もある
この二つを基本として書いていきます。
すべての枝で真ん中を切ることに集中すると、その木全体に統一感が出てまとまりやすくなります。
それと、どこを切ろうかと悩む時間が少なくなります。
真ん中を切ればいいと自分の中でルールを作ると「なんか簡単に感じるかも」と、剪定に対する気持ちが少し軽くなり動きやすくなれると思います。
分からないことや慣れていないことをやるのはとても大変に感じますよね。
その負担が少しでもなくなったらやりやすいかもって思っています。
ルールを決めて真ん中を切っていく途中で、「ここは少し伸ばしてもいいかも」と思う場所があったとすると真ん中を切らないという選択肢が出てきます。
この場合は真ん中を切らなくて良いと思います。
「切らずに伸ばしたいけどこのままだと他の場所より葉が濃く見えちゃいそう」と思ったら、真ん中以外の枝を選んで切ってみましょう。
伸ばしたくない方向の枝を切ればいいという感じです。
残す枝の向きが幹から見て外向きになるようにして、その枝が伸びた時に他の枝にぶつかりにくいだろうとなんとなく予想してみます。
これは本当になんとなくで大丈夫です。
将来その通りに伸びるかわからないし、今の仕上がりに満足できればそれでいいからです。
・輪郭から飛び出していない
・葉の透け具合が他の枝と変わらずきれい
この二つを満たせれば全然大丈夫って感じです。
あまり悩みすぎないのが体も気持ちも楽で次につながると思います。
この後のまとめでもう少しだけ、どこを切るかについて書いていきますね。
まとめ
今回のまとめをしていきます。
剪定を始める前にこんなことを考えてみます。
・少しでも形を整える
・太い枝はなるべく元から抜く
・細い枝はあまり切らない
いきなり切り始めると出来上がりが分からなくなってしまったりするので、ある程度の目標があると後が楽になります。
なんとなくでもイメージができたら、その木に合うような剪定の方法を決めてみます。
剪定の目安は、、
・なるべく上から剪定する
・邪魔な枝は先になくす
・脚立は剪定する方向に一本足を向ける
・上に向く太い枝をなくす
・枯葉、枯れ枝をなくす
・三本もしくは複数ある枝の真ん中を切る
このようなことを意識してやってみます。
この切り方は基本的なことではありますが、切り方は人それぞれの癖が出ます。
癖があるということは「同じ仕上がりになることはない」ということになります。
同じ会社の人達でも手入れに差が出ます。必ずあることです。
それを味ととらえるか粗ととらえるかで感じ方が変わってきますよね。
切る人と見る人で感じ方が違うため色々な意見が出るし、お気に入りも見つかったりします。
一枝・一鋏みに切る人の感じ方やその時の体調や意気込みも反映されて一本の木が仕上がり、その内面を知らない人がその木を見てどう思うかはわかりません。
頑張った人と見る人の熱や好みはその人にしか感じることができないので、結局は人それぞれになってしまいます。
どんなに頑張っても人の好みを変えるのはすごく難しいと思います。
なので、人の好みを変えようなんて思わず「自分の中できれいと思う切り方・作りたい形を作ってみる」ことに力を注いだ方が楽しめるし心が豊かに過ごせるかなと思います。
作りたい形に関しては、輪郭を合わせようとする必要がないということも言えます。
伸ばしたい枝があれば切らずに枝を作ることができ、必要がないなら元から切ることもできます。
ツゲでクマの形を作ったり、キャラボクで亀の形を作ったりもできるので本当に自由自在ですよね。
形づくりも切り方も自由であるのが一番面白みがあるんじゃないかなといつも思っています。
自分の手で、自分の考えでやることに他の人の良い部分を合わせて仕上げていけばきっと良い出来にできます。
納得のいかないところは真似をせず突っかからず、「このやり方は良さそうだ!」と思えるところを吸収していくだけで柔軟に対応していけるはずです。
剪定に限らず、硬くならずに考えて調べてとりあえずでもやってみることが大事かなと思っています。
この記事を読んでいただいた方のために、少しでもお力になれたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
動画を貼っておきます
今回使った画像の動画です。
参考になる自信はありませんが、お時間がありましたらご視聴のほどよろしくお願いいたします。
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