【剪定の基本】ほとんどの植木手入れが出来るようになるコツ【初級編③】の続きです。
剪定の一連の流れと気を付けるポイントを前回までで書いてきたので、今回からは少し踏み込んだ話をしていきます。
まずは、剪定をする順序について書いていきます。
この二つは順序が異なります。
このように変わります。
どんな順序だと楽にきれいにできるかを書いていこうと思います。
自分で手入れをしているところを想像しながら読んでみてください。
【剪定の基本】ほとんどの植木手入れが出来るようになるコツ【枝抜き・刈り込みの違い】
剪定する対象がどんな形の木なのか・どんな剪定方法で仕上げたものなのかでやり方を変えます。
この三つを軸に考えてみましょう。
枝を抜いて剪定する(身長より低い場合)
剪定手順は木の大きさで違ったりもします。
まずは、身長より低い場合です。
手順は、、
- 上から剪定を始めてみる
- 絡んでいる枝・幹に近い要らない小枝などを元から切る
- 枝先が二本になるように枝分かれで切る
- 切ると引っかかるため落としながら進める
- 不要枝を見つけながら剪定していく
- 下まで繰り返して完了
上の手順を一つずつ見ていきます。
上から剪定を始めてみる
なぜ上からなのかは、「高さが決まれば横幅も決まってくる」からです。
枝や葉を残す場合、一番幹に近い小枝が限界のラインになります。
その木の一番高い部分はそこを基準にすると、高さが決めやすくなります。
小枝が出ている位置も隣同士の枝で大体決まっているから、それを目印に切ることができます。
それを下の枝とのバランスを見ながらやっていけば、形が整い全体の格好を作ることができて、剪定をなるべく簡単にできます。
切ると必ず枝に切り枝が引っかかるので、それを落としながら剪定していけば、切り終わったと同時に引っかかりがなくきれいになります。
要らない枝を切る
要らない枝を見極めるには、あまり固い考えにならないように柔軟に対応していきます。
小枝がたくさん出ている場合は、切ったとしても次の年にまた多くの小枝が芽を出す可能性が高いです。
絡んでる枝は確実にどちらか一方は使わなくなるので、元から切るか途中の小枝のあるところで切り詰めます。
一番のポイントは、「将来の形を想像して枝を選ぶ」ことです。
最終的な理想の形を目指していくのが一番やりやすいと思います。
樹種や手入れをする人・見る人により理想の形が違うので柔軟な考えで自由に剪定してみましょう。
枝先が二本になるように枝分かれで切る
枝分かれで切る場合、三本ある真ん中で切れば二本になっていきます。
これが一番シンプルかつきれいに仕上がる剪定の基本です。
切った先が必ず二本になるようになれば、将来の形も作りやすいです。
この切り方のメリットは、、
- 枝の方向を揃えられる
- 風通しが良くなる
- 栄養の分散ができる
- 次回の剪定が楽になる
簡単にですがこのようなメリットがあります。
枝の向きを揃えることで、手やハサミが入りやすくなり風通しが良く虫の発生の抑制もできます。
栄養の分散が出来ればものすごく飛び出てしまう枝が減り、毎年の剪定がかなりやりやすくなります。
たった一つのやり方の違いを続けることで、かなりの時間効率につながるはずです。
切ると引っかかるため落としながら進める
上の枝を切れば引っかかる可能性があります。
これは単純に作業を楽にするためですがメリットがあり、、
- 上からきれいになっていく
- やり残し防止
- 下まで行けば一回できれいになる
このように、上から剪定してゴミを落としながら下まで剪定していけば、全体の確認もできるので一石二鳥です。
引っかかりをそのままにしておくと、枯れた葉や枝の色が変わり見た目を悪くします。
これを防止しながら作業全体の効率が上がるように剪定をしていきましょう。
不要枝を見つけながら剪定していく
不要枝はその木にとって無い方がいい枝です。
これは不要枝という例は、、
- 枯れ枝
- 根元の幹の周りから出ている小枝
- 下の枝から上の枝に絡んでいる・立ち上がる枝
- 隣同士でぶつかる枝
- 樹形を乱すほどの長い枝
この辺りが代表的な不要枝です。
樹種により変わると思いますが、剪定している途中でこのような枝を見つけたら、一本元から切るだけでかなり見た目が変わります。
どこを切っていいか分からない時は、とりあえず枯れ枝・枯葉を取ってみると意外ときれいになったりします。
下まで繰り返して完了
上から剪定をしながら切り枝を落とし、不要枝を見つけながら枝を二本にしていく一連の流れを繰り返していきます。
簡単にまとめるとこんな感じです。
初めての剪定の時はかなり迷うと思いますが、これを知ってるのと知らないのではかなり違いが出ると思います。
剪定は慣れが必要なのでこれらを試して少しずつでも切ることの楽しさを見つけてください。
手入れをすれば必ず良くなります。
身長より高い場合(脚立使用)
低い木とほとんど変わりはないのですが、違う点となぜそうなのかを書いていきます。
高い木は、下から不要枝を切りながら上まで行きます。
なぜ不要枝を切りながら上に行くのかは、、
- 脚立を立てやすくするため
- 上からの剪定を簡単にするため
- 形が分かりやすくなるため
あまり違いがないように思えますが、先に不要枝がなくなるだけで作業がかなり楽になります。
脚立を動かす回数が減るし、形が分かりやすく風通しもかなり良くなります。
不要枝が最初から分かっていれば、それこそ流れよく剪定が進みます。
作業の無駄をなくすだけでなく、迷いを減らして精神的にも楽に剪定できるはずです。
刈込んで仕上げる方法
刈込みの強さは「向こう側の景色がチラチラ見えるくらい」きれいに見えます。
目隠しにしたい場合はそこまで強く刈り込む必要がないため、用途に合わせて決めましょう。
刈込は一本の木・一つの玉の下から刈り始めます。
なぜ下からなのかは、、
- 下の枝が一番弱いから
- 引っかかりが少なくて済むから
- 一回できれいにしやすいから
刈り始め~刈り終わり、片付けまでの流れが良くなるからです。
上から刈るデメリットは、刈り込んだ枝が木の中の方に入りやすく片付けの手間が増えます。
枝が長い場合刈り込んだ枝が引っかかり、枝が下にしなります。
その状態で切ると切り口がずれる場合があるため二度手間になるし、ゴミが細かくなり片付けの手間を増やします。
下から刈り込むことでこれらのデメリットをなくすことができるので、形の違いも含めて書いていきます。
形の違いは主に次の通りです。
- 低木一玉の場合
- 低木の寄せ植え・生垣(いけがき)
- 円錐・円柱
- 散らし玉(段づくり)
種類ごとにいきます。
低木一玉
一玉の場合は下から上に丸く刈込み、一番上まで行ったら乗っかっている枝を落とします。
上に乗っかったまま刈り込むと、一度刈り込んだ枝を刈込んでゴミが増えていくので手間が増えます。
下から上に刈り、ゴミを落とす
この流れを繰り返し木を一周すれば完了です。
低木寄せ植え・生垣
丸でも四角でも同じ刈り方をします。
下から上に横面を刈り込んでから、天端(てんば)を刈ると楽です。
横を先に刈ることで天端に近づくことができるからです。
高さが低くても高くても横面を先に刈ることで疲れを減らせると思います。
上の面は一回刈込んだらゴミを落とし、刈り続けないのがポイントです。
刈込んだら落とすを必ずやりましょう。
円錐・円柱
下から上に刈込みますが少し違うことがあります。
刈込んだ中で立ち上がっている枝は元から切った方がきれいになり、風通しが良くなります。
これをやるだけでかなりの違いが出るので、勇気がいりますがやっておいた方がいいです。
枝を無くしたことで少し穴が空いてしまう程度なら一回で切って大丈夫ですが、形を崩してします程の大きな枝は途中で切って徐々になくして行きましょう。
木は切ってもまた伸びるので形を戻すことはできます。
散らし玉・段づくり
一番上の玉から始めます。
下から上に刈込む手順は同じなので、刈り込んだらゴミを落としていきます。
玉の数が多いとやり忘れが出来てしまうかもしれないので、上の玉から下の玉へ順番に作業していき、木を一周したら終わりにできると流れが良いです。
上から下の玉に行く時に、中の方の不要枝は元からきれいに切りましょう。
不要枝を元からきれいに切らないと、将来ゴツゴツになってハサミが入りにくくなったり、コブになってしまいます。
剪定をやりやすくするために不要枝はちゃんと元から切りましょう。
まとめ
すべての作業に共通することは「一連の流れを作る」ことです。
この辺りを意識するだけで剪定の流れを作れると思います。
なるべく一回で終わらせたいですが、剪定が終わったら必ず確認して切り残し・引っかかり等無いようにしましょう。
読んでいただいた方の知識になり、お力添えが出来たら嬉しく思います。
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