【剪定の基本】ほとんどの植木手入れができるようになるコツ【初級編②】の続きです。
木の剪定方法が分かってきたところで肝心なのが、「安全に作業をすること」です。
この4つは普通なようで危ないポイントです。
一つの危険にいくつかの対策方法があります。
その対策を知って「怪我のない安全作業」がとても大事です。
一番怖いのが「慣れ」です。
一つずつ危険をつぶしていきましょう。
【剪定の基本】ほとんどの植木手入れができるようになるコツ【安全な脚立の立て方など】
脚立での作業は、大きさによりかなり違いがあります。
大きければ危険かと言われれば、そうでもなかったりします。
低い脚立の方が安心感を感じやすいからですね。それが落とし穴です。
まずは脚立の使い方を写真で見ていきます。
危険なポイントと安全対策をセットで書きます。
脚立の使い方
これを使うと、段差や傾斜があるところでも真っ直ぐ立てられます。
適当に立てても上れると思いますが、真っ直ぐ立てながらしっかりと安定させないと「もしも」が怖いです。
脚立の危険性と回避方
まずは、もしもの危険性を見てみます。
危険性
これらは三脚の弱点である「横向きに働く力」を受けやすい立て方です。
これが悪いというわけではなくて、「使う場所によって変えていく必要がある」ということです。
回避方と考え方
剪定する方向へ上っていくと、横にずれる心配が減り、手を伸ばすだけで中の枝分かれにハサミが届きます。
この立て方が安全です。
横にかかる力・重心のブレがなくなり、作業にも集中できます。
次に、横幅が広すぎて上の中心が届かない場合です。
この場合も一緒だけど、木の中に入れちゃう感じです。
上るのが大変になりますが、このやり方はほとんど倒れません。
木の枝で押さえられているためです。
樹種により枝の具合が違いますが、安全のために枝を使うのもいいと思います。
このやり方をしないで道具で解決するには、高枝切りバサミなどを使って切りましょう。
自分が一番やりやすい方法が良いです。
体に負担のかかる方法は避けましょう。
無理な体勢
人間はめんどくさがりだったりします。
脚立を移動させれば簡単に届くところも、今いる位置からギリギリ届く場合作業を続けてしまいがちです。
これが全てではないけれど、無理な体勢を維持させる原因のひとつです。
腰が痛くなり肩が上がりづらくなったり、足も疲れてきます。
体を酷使する剪定方法は後にひびくので、面倒でも脚立を動かしなるべく楽な体勢でハサミが届くようにしましょう。
何より「危険が増す無理な体勢」はしないように気を付けてください。
大きすぎる枝は小分けにする
大きな枝を一回で切ると枝の下の皮が剥けるし、落ちた時に脚立に当たるとかなり危険です。
片手で持てるくらいに切り分けると安全です。
小さく切っていけば皮が剥けることなく、脚立に当たらないところに簡単に投げられます。
安全に切る時のポイント
画像では元の方から切ってますが、先が重たすぎる時はもっと先から細かくしてきましょう。
小さく切ればゴミ出しの時も楽になりますね。
このように流れよく安全に切っていきましょう。
この時に「ブランチカラー」に気を付けてみてください。
慣れ・焦りも危険なポイント
慣れてきたり焦ったりすると「つい」注意が足りなくなります。
慣れからくる失敗は、、
- ハサミの扱い
- ノコギリの力加減
- 脚立が不安定
- 周りが見えなくなる
これらが危険の要因になります。
ハサミの扱い
刃物を持っている感覚が薄れてきます。
枝を持ちながら調子よくパチパチ切っている時に、手に刃が当たり切ってしまう場合があります。
「自分で切るわけない」と思い込んで油断してしまいます。
あまりないことだけど、無くはない出来事です。
刃を研ぐ時も十分気を付けましょう。
刃を研ぐときは力を入れずに、砥石を軽く当てればそれだけで擦ることができます。
力で研がないようにしてください。
ノコギリの力加減
ノコギリも力で切る必要はありません。
刃が木に当たりこすれて、ギザギザの数だけ切粉が出てきます。
刃がこすれた回数で切れていくので、必要以上に力を入れるのは無駄な体力になります。
それと、力を入れたまま切り終わると振り抜いてしまい、体に当たったらものすごく痛いです。
ノコギリは引く時だけ軽く力を入れ、切り終わりには刃がその場で止まるくらい力を抜くと安全です。
脚立が不安定
慣れてくると脚立が少しくらい曲がっていても、体重の載せ具合で調整ができてしまいます。
これが限度を超えると倒れます。
脚立に対する慣れが気を緩ませます。
安全に気を付ければほとんど倒れないようになりますが、ふとした瞬間にふらつくのでちゃんとした使い方を身につけましょう。
周りが見えなくなる
今自分がやっている作業に真剣になりすぎて、周りのことが見えないほど集中している状態です。
これは良い状態ではありません。
- 人が近づいているのに気付けない
- 切った枝を落とす場所に壊れる物がある
- 木を切った後の想像ができない
何かしらの危険が迫っていることに気付けないと、回避することができません。
そのためにも「周りを気にかけながら作業」をする必要があります。
周りを見る目・心の余裕をもって作業を進めましょう。
気を引き締める
気を引き締めるのは常にではなく、先を予測しながら危険と感じる部分だけ気を付けます。
ずっと気が張っていると疲れてしまいます。
- 脚立の使い方・立て方
- 大きな枝を切る時
- 切った枝を落とした時の動きの予想
- 周りの人の行動
- 辛い体勢での疲れ具合
これらの具合をその瞬間に「ここはこうした方がいいかも」って感じたら、危険が近づいてるかもしれません。
「まぁ、大丈夫か」と思って行動して失敗したら、あとから「こうしておけばよかった」と後悔してしまいます。
何かしらの違和感・危なさを感じたら方法を変えるべきだと思います。
まとめ・木の形も大事だけど安全が第一
剪定の方法は、ある程度回数を重ねれば確実に身につきます。
その知識と技術を安全のために使うのが、本当に大事なポイントだと思います。
庭の手入れをしていて、怪我や事故の報告は毎年のようにあります。
忙しさからくる焦りで、自分も身をもって経験をしてきました。
だからこれを見ていただいたことで、悲しくなる・心配に思う出来事がなくなってほしいと感じています。
安全に気を付けるということは、自分に対する管理と周りの人たちへの心配を無くしていくことができます。
精神的なことが行動を変えていくことができるはずです。
きれいと安全の両立がとても大事に思います。
これで初級編を終わりにしたいと思います。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
次からは少し踏み込んだ剪定の話を書いていきたいと思います。
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