木に触ったことがない方でも剪定ができるようになる知識やコツ
これについて、最初に答えを書いておきます。
最初にこんな感じの知識があると、木を剪定する感覚が養われると思います。
一つ一つ解説していきます。
【剪定の基本】ほとんどの植木手入れができるようになる知識
木はどんな形にもできる
木の性質で大体の形が決まっていますが、実際は関係がありません。
どの木も結構自由自在に作ることができます。
木がきれいに見える形を追求した結果が、昔からある庭に残された植木だと思います。
国宝・重要文化財の庭などですね。
でもその形にこだわる必要はなくて、変わった形や自分の好みの形はあなたの手で作れます。
例えば、
・円柱形に刈込んだ木の頭だけ枝を残してキノコみたいな形
・三本の苗木の幹をねじるように巻き付けて螺旋に
・マツの頭から出ている枝を幹に這うように下に向けて地面近くまで伸ばす
考えればキリがないほど出てきます。
自分の庭に合った生活の邪魔にならない自分だけの植木を、あなたの手で作れます。
型にとらわれない柔らかい考えで、剪定の基本を知っていただけたらと思います。
切ったらいい枝が出る
切ったらいい枝が出るという考えは持っていてください。
「切ったら元に戻らないからなぁ」
「ここで切って枯れちゃったらどうしよう」
「枯れないにしても、変な感じになったら嫌だな」
なかなか剪定ができない不安はいくつもありますね。
でもこの不安て、それほど気にしないでよくてプラスに感じさせることができます。
切ったら元に戻らないのは、髪の毛も爪も同じです。
また伸びてきます。
切った直後、切る前の形がフワッとしたイメージに変わり、ほとんど覚えていないかもしれません。
相当切り間違えない限りほとんど枯れることはないです。
切ったから枯れたのではなく、他に原因があるかもしれません。
変な感じになっても直せます。
失敗と思い、次に活かすだけです。もしくは、それを成功として変わった形の木にしてみるきっかけにしてもいいと思います。
いずれにしても一年後に思うことは「一年でこんなに伸びた」だと思います。
伸びるってことは、選べる枝が増えるということなので、切ったらいい枝が出ます。
いらない枝の見つけ方
木にとって無い方がいい枝を不要枝といいます。
上の画像で特にいらないのが「やご・ひこばえ」です。
なぜいらないのかは
木が弱る原因だからです。
もしくは、木が弱り始めると出やすくなります。
なので、やご・ひこばえは早めに切りましょう。
例外としてやご・ひこばえを残す場合は、今ある幹が弱りすぎていて頭の方に枯れ枝がある時です。
やご・ひこばえを育てて将来的に入れ替えます。
残す本数は自由で、一本でもいいし複数残して株立ちにしたりです。
このようなことを気にしなければ、見つけた不要枝は全ていらない枝です。
極端に言えば、目標としている形に必要な枝以外が不要枝とも考えられそうですね。
【剪定の基本】ほとんどの植木手入れができるようになるコツ
ハサミはねじらないように切る
ハサミに力がかかる時に、握力だけで切るのがポイントです。
腕に力が入ると腋が締まり、腕が内側に入る分角度が変わり、斜めに力がかかってしまいます。
これを回避するために、上の画像のように「押しながら切る」のがとても使えます。
木ばさみの時は刃先の方向に押しながら、挟む力を入れ引くように切ると良いです。
挟んだ時の力の伝わり方をイメージできると、コツがつかみやすくなります。
もっと切れやすいのが次の項目につながりますが、
枝に対して垂直ではなく、斜めに刃を入れると切れやすくなります。
刃に伝わる力が枝全体ではなく、枝の繊維を少しずつ切ることができるためです。
軽く押しながら切るのと同じ効果がえられるか切れやすくなります。
力があるとかないとかより、テクニックで作業をする方が体への負担が減ります。
切り口はなめらかにする
二つの意味があります。
「角度的なめらか」と「切り口がなめらか」
です。
画像の上二つの赤い線が、斜めに切られたイメージです。
残した枝が自然な感じで伸びるように枝や芽に角度を揃えて切れば、切り残った枯れ枝もなく自然な感じで伸びていきます。
他にも大事な意味があって
切れないハサミで切られた場合切り口が荒れます。
ノコギリの時もきれいな切り口を目指すことが大事です。
なので、切り口をなめらかにするのは二つの意味があることが分かります。
将来伸びる枝が自然な感じで伸びるように「角度的なめらか」と、切れ味が良く「切り口がなめらか」
この二つを意識します。
枝分かれで切る
一番簡単な考え方は、「三本あったら真ん中を切る」これが大体の樹種に通用する切り方です。
三本目を見つけることができれば、あなたは剪定をすることの基本が分かっています。
どんな枝が三本目として見られるかは
- 一本の枝から三本になっている真ん中
- 一本しかない枝の隣に二本に分かれた枝がある場合、全部で三本とみる真ん中
- 一枝から平行に出ている三本の小枝の真ん中
- 幹から出ている、上の枝と下の枝の真ん中の枝
見方はパズルのように色々あります。
でも、見方を覚えて柔軟に対応していくと、色々なタイプの三本目を発見できます。
これは、ただ単に慣れが大事ですので、木を触りながら養われていきます。
真ん中を切る
三本目を探し出すことができたら、切ることができます。
三本目を見つけてもなかなか切れない時もありますが、とりあえずでも切ってみてください。
真ん中を切るということは、確実に二本の枝が残るということです。
一番最初に書いたように、木はどんな形にもできるし、切ればいい枝が出ます。
切った後に残った二本の枝が伸びて、新しい枝を作ってくれます。
心配はいりません。葉や芽が残ればほとんど枯れることがないからです。
だから、剪定を覚える第一歩として真ん中を切ってみましょう。
まとめ
剪定をする流れで、簡単にまとめます。
これらのことをなんとなくでもいいので覚えれば、あとは慣れるだけです。
剪定は難しいようで、ある一定の決まりと柔軟な考えと臨機応変でどうにでもなります。
樹種に合わせた切り方が正解かもしれないですが、それも基本があってこその知識なので、まずは基本を覚えましょう。
今回のことが全てではないので、次回【初級編②】を書きこの下にリンクを貼ります。
ここに書いたことであなたが剪定できるようになり、色々な挑戦を出来るきっかけとなれたらすごく嬉しいです。
一緒に頑張りましょう。
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