剪定を始める前は、ある程度の完成イメージをします。
でも、剪定し始めると枝ごとにどこで切るかの分岐があります。
その分岐の選択で、最初の剪定イメージと違った感じになってしまうかもしれません。
それを失敗だと思ってしまうかもしれませんが、それは違うと思います。
剪定していて自然とその形になったなら、それがその時にきれいになりそうだと判断した剪定です。
失敗したか成功したかは、その時々で違うという判断ができそうですね。
今回はこんな感じの「感じ方・見え方」について書いていこうと思います。
剪定を始める前のイメージ
剪定を始める前のイメージはとても大事です。
イメージに沿って手入れをしていけば、理想の形に近づけるのが楽になるからですね。
このイメージの仕方はとても自由であり単純にも複雑にもなります。
例えば、離れた位置から眺めてみて、、
・手でいらない部分を隠してみる
・細かい部分は指で隠してみる
・葉や枝がない部分は伸びた時にどのくらいが良いのか想像する
・透け具合はどのくらいか
このようなことを考えてみます。
イメージはしておいた方が良いですが、この想像通りにいくとは限らないのが難しい所ですね。
これが「剪定の悩むところであり楽しみの一つ」だと思いますが、「とにかく小さくして、ある程度形が揃えばいいとか四角や丸になればいい」という場合もあります。
これらの考え方の違いと剪定方法をまとめていきたいと思います。
早く終わればよく、形を揃える手入れ
このやり方は「簡単手入れ」の実現だと思っています。
枝を刈りこんだり途中切りをして輪郭を揃えたり、太い枝だけ切って形を作るやり方です。
これが一番簡単な理由は、あまり悩まなくても完成するところですね。
この方法のちょっとした注意点を書いていきます。
切った枝は落とす
切った枝が木に引っかかていると、いずれ葉が茶色くなってきれいではなくなります。
枝を切る時に、効き手でハサミを持ってもう片方の手で枝を持ちながら切るようにすると引っ掛かりがなくせます。
落とせる場所を先に確認しておいてそこに落とすのが楽になります。
切った枝の引っ掛かりがない状況が作りやすいです。
引っ掛かりをなくすのは全ての手入れで必ずやることなので、剪定しながら落とすか後から落とすかの違いがあります。
とりあえず切ることに集中して引っ掛かりを落とさなかった場合、一度手を入れたところにまた手を入れる必要があります。
落としながらやらないと結構大変だったりします。
脚立を使っている場合に、同じ場所にもう一回脚立を立てて登って枝を落とすのは二度手間になってしまいます。
切ったら落とすを繰り返していくのが簡単かなと思います。
大きめの枝の場合、落とす時に枝の向きが揃うように落としておくと片付けも楽になるので、試していただけたらと思います。
透かしや形を作る剪定を始めた時のイメージとの違い
離れた場所からイメージをしておきますが、枝を目の前にすると切りたい枝が残したい輪郭だったりします。
こんな時に、切りたい枝の選び方に分岐ができてしまいます。
ここが悩みどころです。
木は一度切ったら貼り付けて元に戻すことができないのが悩みの種になりやすいです。
なので、切ろうとしている枝の元をたどって枝分かれ近くか、幹に近い辺りから揺らしてみると一枝の形が見やすいです。
一枝がどこにどのように伸びているかを確認できると、要らない枝や残したい枝が見えやすくなるメリットがあります。
その揺れた枝が剪定前のイメージで残したい枝だった場合、切ると最初のイメージと変わる感じです。
揺れた枝が、要るか要らないかの判断をしながら剪定をして、目の前で分かりにくい時は一度離れて眺めてみましょう。
枝の選び方・輪郭を変えるか変えないか
こっちを切ると中が透ける、もう一方を切ると輪郭が変わるという場合はどっちが良いだろうと考えます。
この二つの切り方は「将来の分岐」となる場合があります。
輪郭残し
単純に中の枝を抜くだけでかなりスッキリします。
小枝・枯葉・枯れ枝を無くして枝先を少し切ると、向こうの景色がチラチラ見える感じです。
中が透けるように切っておくと将来の形づくりがやりやすくなります。
幹に近いところがごちゃごちゃしていると剪定が大変になってしまいます。
中はスッキリ、輪郭は揃えるのに便利な方法です。
輪郭が変わる
輪郭の変わる枝を切ります。
枝先ではなく少し中の方から切るので、早く透かすことができます。
切る回数も減らすことができて片付けも楽になりやすいです。
最初のイメージよりは小さく短くなってしまいますが、きれいになっているはずです。
切ると一気に枝葉が無くなり透けるため、慣れが必要ですが便利な方法です。
2つの方法の違いは?
枝先を切るか、枝先はあまり気にしないで少し強めに切るかの違いです。
どちらの方法でも幹や幹近くから出ている小さな枝はほとんど切るので、スッキリしてきれいになります。
新しく枝を作りたい時は、中の細かい枝を残して育てることで枝数を増やせます。
細かい枝を切るか残すかは、場合によって変えていくと自由度が増すので、木を眺めながら考えてみましょう。
まとめと動画
今回の記事は、抽象的・感覚的な表現で分かりにくかったかもしれませんが、剪定や将来のイメージは慣れと癖と個人差があります。
だから同じ形の物がなくて面白いのだと思います。
この考え方は、今が完成ではないということです。
木は一度剪定したら完成ではなく、自分の思う形にできた時に完成とすることができます。
何を持って完成とするかは、その場所と人それぞれの違いで変わってくるからです。
最初にイメージした理想に近づけていって、満足のいくところまで育てて完成です。
手間は掛ければ掛けるほどきれいに仕上がります。
でも、完全な手入れはなかなか難しいので、簡単にでも剪定しておくときれいを保つことができます。
どんな方法でどんな仕上がりにするかは、枝を切る人によって違うから色々試しながら剪定してみましょう。
自分に合うやり方が見付かると、剪定が楽しく楽になると思います。
動画
最後に剪定の動画を3つ貼っておきます。
「簡単に剪定」と「剪定の基本」です。
お時間がある時に観ていただき、少しでも参考になれたら嬉しいです。
コメント