剪定をするときになるべく楽に、なおかつ自分が満足いく仕上がりを目指すための考え方をまとめていきます。
剪定をするときに思うことは、、
・どこを切れば整うか
・どの程度切るのか
大きく分けてこの2つで、ここから少し細かくすると、、
・どの枝をどのくらい残すか
・どの方向に枝や芽を向けるか
・透け具合はどうか
・将来の形はどんな感じがいいのか
ここからさらに細かく分けると、、
・樹種は何か
・どこで切れるのか
・花や実はどうか
・一年でどのくらい伸びるか
・木の状態はどうか
すごく細かいところまで分かれてしまいました。
剪定はこれらのことに気を付けながら行っています。
でも常に考えているわけではなくて、慣れてくると「無意識でそれらを感じる」ことができ、手が動いていきます。
これが出来るようになると劇的に変わることがあり、、
・仕上がりのイメージの早さ
・要らない枝の判断
・手の止まらない剪定
・切り間違い
・それぞれの木に合わせた切り方
このように時間と作業の効率が良くなります。
時間が短くなれば体力も多く消費しなくて済みますね。
それに技術と知識もついてきます。
これらは全て考え方による影響で変わると思うので、「剪定をなるべく簡単にしながら、時間・作業・体力・技術・知識についての考え方」を書いていきます。
すごく難しいように感じるかもしれませんが大丈夫です。
木は簡単には枯れません。
剪定はみんなができる楽しみにすることができます。
剪定の考え方「流れを良くする。考えることをやめない」
剪定を始める前の迷いはいつまでもなくなりません。
なぜ無くならないかは、、
木はどんな形にもできるため自由度が高く、決まった答えがないから
基本の剪定方法はあっても、こうでなければいけないという答えはありません。
昔から伝わる剪定方法は今でも変わっていないと思います。
仕上がりの形は、襖・屏風・掛け軸などに書かれたウメやマツをイメージするとその時代の樹形が分かると思います。
絵で描かれた木は「こうだったらきれいだ」というその樹種の理想を書いたものだと思います。
でも、その形である必要はなくて自分の思うきれいを目指せば大丈夫です。
毎年自分で手入れをする場合は、形の作り方や伸び具合などが感覚で分かるようになります。
その感覚で枝をコントロールするとどんな形にもできるので、柔軟な考えで自由に仕上げることができます。
逆に固い考えだと剪定方法は完全に決まっていて、基本通りに手入れをすれば完了できます。
ここで大事になるのが、、
固さと柔軟さの間を狙えば簡単なんじゃないか
ということです。
これをするためには、基本を身につけたうえで自由を求めるのが良いと思います。
どこを切れば整うか
どこを切ればいいかわからない時は、最初に枯れ枝と枯葉を無くすだけでかなり見た目が変わります。
枝の具合も見やすくなり、枝分かれを見つけやすくなります。
枝分かれを見つけたらどこで切ればいいのか、かなり簡単に説明すると「三本あったら真ん中を切ること」です。
大体の木が枝分かれをしながら広がっていきます。
その性質があるから真ん中を切るだけで長さを調節し透かすことができます。
この方法が一番簡単で、昔から変わらない決まった剪定です。
難しいと言われているマツやモッコクやハナミズキもこの方法を使っています。
なぜ難しいかは、応用するのが難しいということです。
どの辺りで切るかがポイントになるのと、マツは芽のないところで切ると枝が枯れちゃうからです。
一枝なくなるとポッカリ穴が空いてしまうかもしれないし、切ったら戻らないから心配で手が動かなくなったりしてしまいます。
でも、大丈夫です。木はまた伸びてくれます。
剪定した一年後は元気に枝が伸びて、また剪定して形を作っていけます。
少し違う考え方をすると、切ったら戻らないからこそ切れるとも言えます。
一本の枝を切ると「最初の形ってどのくらいだっただろう」というのがぼんやりしてきます。
それは、剪定した今の方がきれいになったからですね。
あまり悩みすぎると余計分からなくなったりするかもしれないから、少し気楽にやるのがいいです。
では、どの程度切ればいいんだろう?となるので、なるべく簡単にする考え方にいきます。
どの程度切ればいいのか
どの程度か決めるのは、ものすごく自由です。
どのくらい自由かは、、
小さくする
切らずに伸ばす
先を揃える程度
風通し良くスカスカ
変わった形
ねじって曲げてみる
枝を垂らす・上に向ける
考えたらキリがないほど出てきます。
小さくしたいなら、中の小枝を切らずに不要枝(ふようえだ・木にとって無い方が良い枝)を切って先を詰めれば完了です。
切らずに伸ばすなら不要枝を無くして、伸ばしたい方向に枝を残したり誘因したりして完了です。
先を揃える程度なら、枝先の枝分かれで真ん中を切ったり刈込んだりできて、風通しを良くしたいなら一枝一玉に作ってみたり色々出来ます。
変わった形を作りたいなら、枝の数を減らして上に向けてからねじって垂らしてみたり、制限なく色々な形を作ることができるはずです。
他にはない自分だけの植木を作って、剪定を楽しくするのもいいですね。
どの程度切ればいいかは、その庭で木をどう見せたいか・どう見えたらきれいかを考えるのがポイントであり楽しみかなと思います。
一年を通して庭を眺めながら木の形を観察してみると、枝の伸び具合と花や芽のつき方が分かって剪定に活かせると思います。
樹種の違いもありますが、木にはそれぞれの性格があります。
枝の伸び方や芽のつき方にかなりの違いがあるのでそこの違いも気付きがあると思います。
同じ樹種なのに新しい芽が出やすく強い枝が少ないものもあれば、一本の枝が強く伸びて新しい小枝が少ないものもあります。
これが木の性格です。
剪定ではなかなか直すことができないので、その性格に合った手入れをするときれいになります。
観察してだんだん木の特徴が分かってきたら、剪定で枝・芽の向きや性格に合わせて剪定出来るようになってきますね。
枝の向きや芽の向きに合わせて剪定する
剪定の具合に合わせて枝と芽の向きも揃えていくとすごくきれいになり、次回の剪定もかなりやりやすくなります。
なぜ楽になるのかは、、
枝の向きが揃うと手・ハサミが入りやすい
芽の向きが分かりやすい
枯れ枝が少なくなる
この法則ができるだけで、剪定のやりやすさと見た目のきれいさが格段に上がります。
枝の向きが揃うと絡む枝がなくなり中が透け、幹が見えたり枝が見えるし風通しが良くなり虫の発生の抑制にもなります。
見た目が改善されるのと、虫の住みにくい環境を作れて一石二鳥ですね。
そこから将来の形のイメージして、理想に近づけていきましょう。
枝の向き・芽の向きは将来につながる
理想の形にすると、花の具合を調整できたり実が採りやすくなったりします。
カキやキウイ・レモンやミカンなど色々な果物が家庭で作れるので、それぞれ採りやすい形にしてみましょう。
基本的にどんな形がいいかは、、
高くしないで横に広げると安全
特にカキは高くなりやすいですね。
高いところになったカキは鳥が来て食べられてしまいます。
鳥を観察する場合はその方が良いと思います。
でも鳥が来ると嫌な場合もありますよね。
食べられて落ちたカキを片付けるのが大変だったり、フンをされたりもあります。
脚立に登り高いところで収穫をするのも危ないですよね。
カキは非常に柔らかい木なので、枝に足をかけて折れてしまう場合があります。
その危険を無くすために、低くしてみましょう。
低くすると横幅が必要になってしまいますが、安全に収穫できるのが良いですね。
どの樹種でも低くしておくのが良いと思います。
採りやすくすれば時間もかからないし、体力も使わず面倒だと思わないようにできると思います。
作業を楽にすることは、「面倒くささを無くし精神的にも体的にも負担が減るけど運動になる」と良いことがいっぱいありそうですね。
時間・作業効率を良くして疲れないように
剪定をするためにはこれらのことを考えて作業しますが、次に考えるのは時間効率や体の疲労を抑えるのが大事です。
同じ作業をするなら、なるべく疲れない方が動き続けられるので作業も進みますね。
力を入れすぎたり無理な体勢が続いたりすれば体力の消耗も大きくなり、剪定が面倒になってしまったり…
なるべく楽に剪定をすることで疲れも時間も最小限にできると思うので、それについて一つずつ書いていきます。
動く前に仕上がりのイメージは重要です!
仕上がりをイメージすることで、、
要らない枝が分かる
将来の形が見えてくる
作業をする順番が分かる
全体の流れが見えてくる
こんなことが分かるようになり、頭の中で手順や順序を作れます。
要らない枝が最初から分かっていれば手間が減り、将来の形に近づけるのが簡単になって剪定から片付けまでの流れをイメージできます。
この「イメージ」ができるだけでかなりの差が出てくるはずです。
剪定は端から順番にやっていかないと、一回手を付けたところをまたやり直して脚立を動かして…
この繰り返しが続くと時間も体力もいっぱい使ってしまいます。
なるべく無駄を無くすことが楽をすることにつながります。
大変なことを避けるために、考えることをやめないようにしましょう。
考えることは慣れるまで大変ですが、慣れてしまえば考える前に「イメージ」として見えてきます。
頭の中で全ての作業がイメージ出来れば予想外のことがあっても対応がしやすくなると思います。
安全に流れよく作業することを意識しないと危険を回避できないから重要なことだと思っています。
ここまでイメージができると作業の流れが分かると同時に、必要な仕事量や力加減などの調節も感じることができそうです。
力加減はケガを防ぐ
何をするにも力の入れすぎは危ないし、物を壊したりしてしまいます。
例えば、ノコギリで太い枝を最初から最後まで同じ力で切っていると、切り終わりに振り抜いてしまい腕や足に当たればすごく痛いです。
片付けの時に、熊手がしなる程力を入れているといつしか折れてしまいます。
道具は壊れても直したり買ったりすれば大丈夫かもしれないですが、もったいなさもありますよね。
ケガに関しては本人が痛いで済めばいいですが、動けなくなるほどのケガをしたりさせたりしては大変です。
「あの時ああしていれば…」
絶対にケガをしないことは大変だと思いますが、あとから後悔するほどのことも無くはないので、それをしない努力はしなければなりません。
力加減一つで変わることはたくさんあると思います。
自分の力加減もそうですが、物の力のかかり方も予想することが大事です。
重すぎる物を運ぶ時・落とす時、柔らかい物・硬い物を扱う時、その場の状況や物の違いなど気を付けるべきところは自分以外にもあります。
何かを使って何かをする時は色々な予想をイメージとして考えておくようにすると、安全に事を済ませることができるはずです。
これは剪定以外の生活の中でも言えることだと思うので、先を読むことの練習になるかなと思います。
剪定のまとめと気を付けること
長くなってしまいましたが、このような事を考えながら作業をしています。
剪定の基本は「三本ある真ん中を切る」
木はどんな形にもできる
好きな仕上がりにするため柔らかい考え
形づくりは基本や決まった形があるからこそ変わった作りができるので、色々試してみると面白いと思います。
透け具合も自由
風通しは良くしておく
一番は虫の住みにくい環境を作ることです。
枝・芽の向きを揃える
手入れが楽になる
なるべく簡単に剪定をしましょう。
剪定前のイメージは大事
力の入れ具合は安全につながる
道具も大事にできる
作業の初めから片付けの終わりまでイメージができればかなり楽になります。
力の入れ具合は、自分と周りの安全を確保するためと道具を長持ちさせるために必要です。
今回伝えたいことは、剪定は完全に自由でどんな形にもできることと、先を考えながら作業する安全の確保です。
手入れをする時に「あれはダメ・これはダメ」と言っていたら新しいものが生まれないし、決まりきった切り方で形を整えることしかできないんじゃないかと思ってしまいます。
それって本当にきれいなのか・面白さを維持することが難しくないか?
と感じています。
だから色々試したり挑戦した方が楽しめると考えています。
そのためには、なるべく先を考えてイメージすることをやめないようにしています。
考えること・挑戦することをやめてしまうと、自分の想いを残すことができないような気がするので、形で残したりブログや動画作りをしています。
ホームに戻ると手入れのやり方や使う道具などがまとめてあります。
見ていただいた方にお力添えができたら嬉しいです。
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