マツ類はハサミを使わないで仕立てるのが昔からの手入れの方法だったようです。
「切らないのにどうやったら形造れるの?」
と思うかもしれませんが、時期を守ればほぼ切らなくて大丈夫になります。
でも、切らないということはマツを育て始めからずっと見続け「枝の誘引」もしなければなりません。
かなり難しく、時間が限られるため根気のいる作業になります。
時期・手順・コツなどを書いていきます。
【マツのみどり摘み】ハサミを使わない手入れの時期・手順・コツ
時期は、、
みどり摘み 4~5月
もみあげ 9~11月まで 時間のある時で大丈夫
このくらいが目安です。
みどり摘み
みどり摘みは、長く伸びたみどり色の新しい芽を折る作業です。
かなり簡単に折ることが出来て、親指と人差し指でつまんで折り曲げるか少し回すとポロっと取れます。
もみあげ
もみあげは古い葉と新しい芽の葉をむしる作業です。
新しく伸びた芽の先端から5cm位は葉を残し、そこから下は全てむしっちゃいます。
これらを時期を逃さないようにやっていきます。
みどり摘み・もみあげの作業の順番
・上から下に作業
・自分の体から1番遠いところから作業
上から下に作業するのは、引っ掛かりをなくすためです。
ゴミが引っ掛かったままだと、時間が経ち茶色くなって目立ちます。
体から1番遠いところから作業するのは、手前の枝に体が当たっても最後に手直しできるからです。
上から下へ手が届く範囲を作業して、木を一周すれば完了できるのが理想です。
脚立を立てたり木登りする時に、ぶつかって必要なみどりが折れてしまわないように気を付けましょう。
みどり摘み手順
大体3~5本くらいみどり色の芽が立ち上がっています。
その複数あるみどりを2本にしていけば完了ですが、ちょっと一手間かけます。
コツ
二本にする時に、、
・幹に対して平行近くになるようにする
・長さを合わせる
これに気を付けます。
幹に対して直角にしてしまうと内向きの枝ができて上に向いてしまうからです。
高さを出したいところでは良いですが、幹からなるべく外向きになるよう仕上げると、芽の向きが揃い手入れがやりやすくなります。
幹から主な枝が出て枝分かれを繰り返し、外向きに二芽になる将来のイメージです。
みどり摘みを初めてやる時は古い葉があると思うので、むしった方がいいです。
ここで古っ葉(ふるっぱ・新しい芽より下の古い葉)をむしっておけば年間を通して枯れ葉を見ることが少なく済みます。
もみあげ
薄手の手袋をして要らない葉をむしりましょう。
手袋をする理由は、マツのヤニで手がベタベタになって洗っても落ちにくいからです。
夕飯を作るのに手が汚れていたり、子供に「手が汚れてるよ?」と言われたりすると嫌ですよね。
手袋は何でも大丈夫ですが、穴が空きにくいよう少し丈夫なものが良いと思います。
薄手の皮手袋や手の甲だけ布のゴムの手袋などがやりやすいです。
指先に感覚が伝わるものが良いです。
コツ
むしり方は、無理に引っ張ると芽が取れたり枝が折れたりしちゃいます。
なるべく簡単にむしるには、、
・腕で引かず指の力を使う
・手首を返す
・逆撫でる
このようにして芽や枝にかかる力を分散させます。
力がかかる位置を葉の付け根に集中させるイメージです。
葉の残し具合は、どう見せたいかで決めて大丈夫です。
透けてるのが好きな場合は多くむしって、大きく見せたい場合はちょっと残し気味にしても良いです。
好みで変えてみましょう。
自分のマツを「自分の考えや感覚」でやることが楽しみになります。
見た目の違いの出し方
・枝や芽が上を向いているか、垂らしてあるか
・芽の向きは揃っているか
・芽の数
・新しい芽の葉の量
これらを組み合わせれば違いが出ます。
組み合わせは木の数だけあるので無限に近い感じがします。
その木・その場所・その気候、色々な条件があるので正解はほとんどなく基本の応用で自分らしさを出して手入れをしてください。
自由にやる方が気楽で楽しいはずです。
まとめ
ポイントをまとめていきます。
みどり摘み
・4月末~5月末あたりが目安
・指でつまんで簡単に折れる
・幹に対してなるべく平行に
・みどりの長さを合わせる
・古っ葉があればむしっておく
もみあげ
・9~11月 時間のある時で大丈夫
・マツヤニがすごいため薄手の手袋(皮・ゴム)
・腕で引かずに指の力を使う
・手首を返す
・逆撫でる
・力がかかる位置を葉の付け根にするイメージ
見た目は好みで
・枝や芽が上を向いているか、垂らしてあるか
・芽の向きは揃っているか
・芽の数
・新しい芽の葉の量
・柔軟に考えて、自由な仕上がりに
このようなことを毎年その時の状況に合わせて手入れをしていきます。
今回の方法はかなり手間をかけて仕上げるやり方なので、大変な作業になります。
ハサミをほとんど使わないというのは、絡んでいる枝は将来の邪魔になるので元から切るということです。
無理にハサミを使わないのも気を遣うので、決まりにとらわれず時と場合で臨機応変にやる方が仕上がりがきれいになると思います。
何をやるにも色々な考えで試してみて、自分に合うやり方を見つけるのが良いと考えています。
ハサミやノコギリを使って手入れをした記事を貼っておきますので、参考にしていただけたら幸いです。
読んでいただいた方のお力添えが出来たら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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