庭にキンモクセイが植えてあるお家が多いので、簡単にできる手入れを紹介します。
キンモクセイの手入れはすごく簡単で、木を切るのが初めての方でもできます。
なぜ簡単なのか?
刈り込んで手入れをすることが多いですが、その際に葉がなくなっても新しい枝が伸びてきます。
すごく小さくするためにノコギリやチェーンソーで太い枝を切ってもほぼ枯れることはありません。
「ほぼ」というのは、ちょっとした注意が必要なので、剪定のコツや注意点と共に書いていきます。
自分が手入れをしているところを想像しながら読んでみてください。
目次の読みたいところをクリックするとそこから読めます。
キンモクセイの特徴と手入れのやり方 刈り込みと剪定方法
特徴
9~10月ごろにキンモクセイ全体がオレンジ色の小さな花でイッパイになり、周囲を良い香りで包み込んでくれるため、庭に大きめの物を植えたり窓の目隠しにしたりと色々な用途があります。
花は葉の付け根あたりに咲くため、葉が残るように手入れします。
小さくしたいために強く切る場合は気にしなくて大丈夫です。
キンモクセイはとても強い木です。新しい枝が伸びれば花が咲きます。
剪定する時期
11~4月の剪定なら毎年花が咲きます。
※冬の寒さが厳しい地域では真冬は避けた方がいいです。
10月に花が咲き終わった場合、11月に手入れをすれば枝が伸びない期間が一番長いため、きれいな形が長くなります。
5月以降の手入れは新しい枝を切ってしまい、花芽が少なくなります。
そのため、11~4月としてあります。
刈り込みと剪定・共通で使う道具
腰道具(剪定3点セット)
剪定バサミとノコギリは腰道具(こしどうぐ)があるとすごく便利です。
腰道具とは、ベルトに木バサミ(きばさみ)・剪定バサミ・ノコギリをしまうケースがついている物です。
植木の手入れの時は腰道具をつけると、ハサミを出して枝を切ってすぐにしまって両手が使えるし、失くなったりしないのでセットで持っておくととても楽です。
ケース(素材は皮やプラスチック)は別売りの物や鋏とセットで売っています。ベルトは専用の物もありますが、幅が広すぎなければ普段使っているもので大丈夫です。
脚立(木の大きさに合ったもの)
脚立は大は小を兼ねる訳ではなく、木に合ったものを使う方がやり易く効率がいいです。
刈り込みの時は特に、刈り込みバサミの柄が当たったり電動ヘッジトリマーのコードや持つところが当たって、やりづらかったり危なかったりします。
大きさの合ったものを使い安全に効率良く作業しましょう。
ブルーシート(大きめ)
ブルーシートは、大は小を兼ねます。
大きめの物でも安いので、木の大きさに合わせた枚数あるととても便利です。
くまで・ほうき・み(掃除3点セット)
この3つがあるだけで掃除はできます。
あると便利なのは、「ブロワー」です。電動・充電式・エンジンがあります。
筒のついた機械から風を勢い良く出します。
風の力で枝葉を飛ばして集めることができるすごく便利な機械です。
風を使うのでホコリが舞うため、場所を選んで使わないと苦情が出てしまう心配があるので、環境に合わせて使うようにしましょう。
3つの方法に共通する、手入れを始める前にやること
仕上がりのイメージ
どの手入れの方法でもいきなり木に近づかず、少し離れたところから眺めて仕上がりのイメージをしましょう。
何をやるにも目標やゴールをある程度決めないと遠回りになってしまいます。
仕上がりのイメージをしておくことで、ハサミを入れる回数を減らし最短で仕上がりイメージに近づけることができます。
何度も刈り直し、切り直しをして二度手間にもなるし、切った枝や葉っぱが細かくなって片付けにくくなったりもします。
近くに物があったら片付けるかシートをかける
動かせるものなら、手入れを始める前に片付けておかないと後が面倒になります。
刈り込んだ枝や葉が狭い隙間とかに入ってしまうと片付けに時間を使ってしまいもったいないです。
動かせない物があるところや砂利の敷いてあるところはブルーシートを敷くと楽です。
安くて手に入りやすいし、敷けば片付ける時に地面をほうきで軽く掃くか掃除しなくても済むくらいにできます。
刈り込みの手入れ「下から上に」
下から上に刈り込んでいきます。
この3つの理由からです。同時にこれが手順にもなります。
1.枝が地面まで落ちやすいから
上からや、中途半端な高さから刈り込みを始めてしまうと、切れた枝が下の枝に引っ掛かりとてもやりづらいです。
引っ掛かることで枝が重くなり下にしなります。そのまま刈り込むとしなりがなくなった分切り口が内側に入ってしまうため、まっすぐな仕上がりにはなりません。
手順1
一番下の枝は弱くて切りやすいのでついつい強く切ってしまいますが、それをやると上に行くにつれて膨らんでしまいます。
膨らんでしまう理由は、上に行くにつれて枝が太くなるからです。
そうならないために最初にやった「仕上がりイメージ」が活きてきます。
離れて見たときのラインに合わせて切っていけばまっすぐになりやすいです。
地面からハサミが届く範囲まで一周刈り込みましょう。
2.平らに仕上げるのが楽になるから
下から上に刈り込んでいくことで、引っ掛かりがほとんどなく、切り口の動きも少ないため楽にきれいな仕上がりを目指すことができます。
手順2
ここで脚立を使わないと側面の上の方が届かない場合は、下に散らかっている切った枝に気を付けながら作業しましょう。
脚立の足が着くところは少しどかしておかないとまっすぐに立てるのが難しくなったり、不安定になったりして危険です。
脚立をしっかり立てられたら上まで作業をしていきます。
3.てっぺんをやる時に脚立を近づけて立てられるから
手入れをするところが脚立から離れると、バランスを崩しやすくやりにくいため脚立を近づけるのは効率を良くするのに必要です。
手順3
上の丸くなっている部分を刈り込むときは、何回か刈り込む→切った枝を後ろに落とす→また刈り込む→落とす…この流れを終わるまで繰り返していきます。
なぜ切った枝を途中途中落とすのかは、刈り込んだラインが見えなくなるのと乗っかったままの枝を刈り込んでしまうからです。
ラインが見えないまま刈り込んでいくと平らにならないし、細かくなった枝葉が中の方に入り、引っ掛かって片付けに手間がかかってしまいます。
なので、ザクザクとある程度刈り込んだら落とすまた刈り込んで落とす、を繰り返すと引っ掛かりもなく後の手間をかけずに終わりまでやることができます。
ヘッジトリマーを使う場合は、1回刃を通したら落とすを繰り返します。
刈り込むときのワンポイント
側面の刈り込みの時に真上に伸びている枝は元か元近くで切ると簡単に透かすことができるのでおすすめです。
真ん中辺から一番上の方まで伸びている枝は今後も邪魔になるので思い切って元から切ってしまいましょう。
木はまた伸びるので心配ないです。切れば必ずいい枝が出ます。
刈り込まない剪定
この手入れのやり方は「中~上級者向け」の剪定方法です。
正しく手入れをやるとするならば、次のことが必要になってきます。
これらの知識や技術を使わなければできません。
でも大丈夫です。難しそうに見えるだけなので、初心者の方でも簡単に感じられるような説明をしていきます。
花芽を残す
これは新しい枝の葉を残せばいいだけです。
キンモクセイは葉の付け根に花芽をつけるのでこれだけで花が咲きます。
剪定する時期が11~4月なら夏に新しい枝が伸びるから心配ないです。
※冬の寒さが厳しい地域では、真冬は避けた方がいいと思います。
透かし・切り詰め剪定
簡単な考え方は「3本枝があったら真ん中を切る」ということです。
太さに関わらず真ん中を切るときれいな形で透かすことができます。
透かし方は2種類あります。
- イチョウ透かし(扇型)
- イナズマ透かし
これらの手入れをやっていけば自然と透けていき、切り詰め剪定もできてしまいます。
残す枝を選ぶための知識
これは木を切るための「感覚と間隔」です。
自然系の仕上げ方になると、枝分かれをしている部分がどの枝も大体同じあたりにあると思います。
その枝分かれを目安にして、まずは1本真ん中の枝を切ると間隔が空きます。その感覚を他の枝に使います。
切る位置が大体揃っているため切る前に残す枝が見えるようになってきます。見ずらい時は枝を1本持って揺らしてみると、残す枝・切る枝が分かりやすくなります。
その感覚を繰り返しやっていくだけでどこで切るのか、どの枝を残すのかが一瞬でわかるくらいになります。
たとえそれが大きな枝を切ることであっても同じ感覚を使うことになるので、間隔が大きくても小さくても同じようにバランス良く剪定できるようになります。
残す枝はこのように決めていきますが、「きれいに剪定できてる」と感じるのは個人差があるため自分で満足いく仕上がりなら大丈夫なので、自信をもって剪定をしてみてください。
もし失敗しても必ず新しい枝が伸びてくれます。
時には木登りをしなければいけないけどしない
自然系なので横と上に広がって伸びているため、脚立では上の枝に届かない場合があります。
そのままの大きさで透かしていく場合は、木登りをして木の中から剪定しなければいけなくなります。
キンモクセイの木登りは経験上難易度が高いです。太い枝が上向きに伸びるため普通に立っていられない状況になります。
なので木登りはせずに、高枝切りバサミや高枝切りの先をノコギリに変えて安全に切れるところで切りましょう。
下から見れば間隔が空いてしまった場合でも、横から見れば穴が開いているなんて見えません。
というより、植木を眺める時に下から見ることなんてないから大丈夫です。
見るのはほとんど横か斜め下からです。
穴を空けたくない場合は脚立やハシゴを立てられる隙間を作りましょう。
強く切って小さくする
この場合に気を付けることは「時期と怪我」です。
強く切って良い時期
暖かくなってくる3~4月です。
なぜその時期なのかは、花芽を少しでも付けたい・木を弱らせたくないからです。
6月ごろから新芽(しんめ)・新しい枝が出てくるためです。
なので、花を気にしないのであればいつでも大丈夫ですが地域や環境によります。
夏のすごく暑い日には、切り口や幹が日光にさらされ火傷して弱るもしくは枯れる場合があります。
冬はものすごい寒さで切り口を乾燥させられたり、成長を止めている時でも葉がすべてなくなると光合成(呼吸)ができなくなり弱ってしまいます。
この理由から夏と冬の厳しさが緩やかなところならいつでも大丈夫です。ですが、切らなければいけない理由がない限りは避けましょう。
大きな枝を切る時に怪我をしない手順
安全にやるには大きな枝を切る時に、「一回で切らない」ことです。
この手順のねらいは2つあります。
- 片手で持てるくらいにするため安全になる
- 切れる時に木の皮が剥けなくなる
切る枝を持ってても持たなくても軽くなる方が絶対に安全です。
脚立に上って枝を持ちながら切っていて重たい枝が切れるとバランスを崩したり、持たずに切って落ちたところに脚立の足があって当たると衝撃がきたり色々危ないことがあります。
大きな枝を一回で切って終わらせようとすると、切っている途中に重みで倒れていき皮がベリベリと仕上がりラインより下まで剥けてしまいます。
こんな感じで分けて切りながら、皮が剥けない対策もしましょう。
全ての枝を仕上がりイメージまで切り下げれば完成です。
まとめと参考動画
キンモクセイは剪定に強く、枝が伸びるのも早いです。
刈り込みでビシッと形を作るのも、剪定で透かしてきれいにするのも自由にできるので、初心者の方でも簡単に手入れができます。
どこで切っても大丈夫だからです。
全手順の流れ
こんな感じでキンモクセイの特徴が分かれば刈り込みや剪定が格段に楽になります。
木を手入れしてみたいと思った方の力になれたら嬉しいので、ここで見たことを知識や技術にして頂けたら幸いです。
ホームに使う道具・剪定から片付けまでの流れをまとめてありますので、参考にしていただけたら嬉しいです。
参考動画(キンモクセイ)
この動画では【3つの手入れの違い】を撮影したので、どの剪定方法が良いか選んでいただけたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
お時間のある時にまた見に来ていただけたら嬉しいです。
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