株立ちとは、苗木を複数本寄せ植えにして一つの木にしたもの。
やご・ひこばえが成長して複数の幹があるもの。
幹を地面の近くから切って、新しく伸びた芽を複数本選んで残し、幹として育てたもの。
このように株立ちの作りや形は色々ありますが、一本の木だけど幹が何本もある木のことを言います。
株立ちの剪定を初めてやる時は、幹がいっぱいあって枝も色々な方向から伸びていて、どこをどうしたらいいかわからないと思います。
この悩みを解決するために必要なことは
- 幹の本数
- 幹ごとの高さ
- 重なりあってる枝
- 枝の向き
- 仕上がりの具合
この5つを部分ごとに見ていけば、切る位置がだいぶ見えやすくなります。
葉が生い茂っている状態で全体を眺めると、どこから手を付けていいかわからなくなっちゃうんですよね。
剪定をする前にやることから、手入れを簡単にするための手順などを順番に書いていきます。
簡単きれいに剪定をする方法と考え方
剪定を簡単にするには、考え方や感じ方が大事です。
木は切ったら必ず形が変わるからですね。
どう考えれば切るのが簡単になるのかは次の通りです。
- 株全体を一本の木として見る
- 株全体ではなく、幹を一本ずつ分けて見る
作業を始める前に、どちらがいいか考えてみましょう。
いきなり切り始めると、仕上がりがきれいにならなかったり、迷いが多くなったりして無駄な作業が増えます。
株立ちだからこの形でなければいけないということはなくて、どちらの方法でも好みややりやすさで決めるのが良いです。
この二つの違いはかなり分かりやすいので、好みが分かれやすいところだと思います。
どのように違うかは


この画像のような感じで結構違いがありますね。
株立ちはこの二つのどちらかの仕上がりイメージをしますので、これから剪定する木で好みのイメージをしてみましょう。
イメージをしながらやることがあります。それは不要枝を探すことです。
不要枝(ふようえだ)とは?木にとってないほうがいい、いらない枝
この二つの方法に共通するのが、不要枝をなくすことです。

この画像のような枝は全ていらない枝なので、切り始める前にざっとでも探しておくと剪定がやりやすくなります。
最初から絶対にいらない枝が分かっていれば、考える必要がなくなるためその分楽になるからです。
では、どんな手順で二つの剪定方法をやるのか書いていきますね。
2種類の違う仕上がりの剪定方法
一本の木として見る場合
この手入れは仕上がりのイメージが簡単です。


このように全体で細長い丸になるようにして、その輪郭の内側で枝が収まるように枝を切ります。
この剪定方法を簡単にする手順は
- 不要枝を下から上に切っていく
- 剪定は上からやる
- 株の中の小枝は全部切る
1.不要枝を下から上に切っていきます。
切る順番の例えは、やご・ひこばえ→徒長枝→枯れ枝→立ち枝
こんな感じで一番上までいきます。
この順で切っておくメリットは
- 邪魔な枝がなくなり、手元が見えやすくなる
- 仕上がりのイメージの輪郭が分かりやすくなる
- 脚立を立てる時に、木に近づけやすくなり安全になる
この3つのメリットによって効率が上がります。
2.剪定を上からやる理由は
- 高さが決まると幅も決めやすい
- 切った枝が引っかかっても落としながら作業できる
- 脚立が当たって枝が折れてしまっても手直しができる
- 木の周りを一周すれば、引っかかりもなく剪定が終わる
高さを低くしたら横幅も強めに切って小さくします。そうしないと頭が平らになってしまうからです。
高さをあまり切らない場合は、横幅も合わせて切るだけで大丈夫です。
下から切っていくと、上まで切り終わっても切った枝が引っかかって取り除くのが面倒になるので、上からやれば引っかかりを落としながら一回で終わらせられます。
剪定が終わった後に脚立を立てると、せっかく手入れした枝を壊してしまう可能性があります。
これらの理由から、剪定は上から作業した方が効率が良くなると思います。
剪定についてはこちらの記事に詳しく書いてありますので、参考にしてみてください。
幹を一本ずつ分けて見る場合
一本ずつ見る時は、ちょっと違った見方が必要になります。
株を一つと考えないで「隣の幹と高さをずらし、木の集合体」として見てみましょう。
なので、仕上がりのイメージの輪郭はそれぞれの幹で変わります。


こんなイメージで、同じ株立ちでも見た目に動きが出てきます。
この剪定方法を簡単にする手順は
- 不要枝を下から上に切っていく
- 剪定は上からやる
- 株の中の小枝は全部切らずに間隔を見て残す
「一本の木として見る場合」と手順は変わらないのですが、切り方を少し変えます。
一本の幹が一本の木なので、全ての幹が高さも幅も違います。
さらに、その木を眺める場所から見て「一番手前の幹が低く、奥に行くにつれて高く」剪定すると奥行きが出ます。
中の方の枝の残し方は、他の幹の枝とずらしながら残していきます。
枝同士がぶつからないようにしつつ、残しすぎないよう気を付けましょう。
この手入れはちょっとコツがいりますが、バランスを考えながら剪定するため、楽しさがあります。
2つの方法に共通する楽しさ
株立ちは幹が一本の木の剪定より難しいです。
その分、考えることがたくさんあるので楽しさがあり、仕上がった時の嬉しさもあります。
特に自分や周りの人が仕上がりを見て「きれいになったなぁ」と思ったり言われたりすると、満足感が増してやる気もでます!
やっぱり褒められると嬉しいですからね。
感覚的に枝を切れるようになるまでには少し時間がかかりますが、やり始めと一年後ではかなり違う目で見られる感覚を養えていると思います。
その違いを感じることができると、初めてやった手入れの良いところ悪いところに気付いてどんどん上手になる嬉しさもあります。
うまくいかなかったときは、「木はまた伸びる」と思いつつ次は気を付けるようにすれば大丈夫です。
木は切れば必ずいい枝が出ます。自信をもって手入れをしながら覚えていきましょう。
まとめ
株立ちの剪定を簡単にするために気を付けることは
- 幹の本数は奇数がいい
- 幹ごとの高さは仕上がりのイメージで決める
- 重なり合っている枝はどちらかを元から切るか途中で切る
- 枝の向きは外向きに2本残す
- 仕上がりの具合は途中か切り終わってから確認し、手直しする
幹の本数は多すぎる場合は減らし、増やしたい時は「やご・ひこばえ」などを残して育てましょう。
幹ごとの高さは、仕上がりのイメージより下で切り、切り口で揃えないで枝先で揃えるときれいです。
重なり合っている枝を切る場合は、全体の葉や枝の濃さで調整してみましょう。
枝の向きは基本的に外向きですが、枝がなくなってしまう場合は上向き・下向きを残すのもありです。臨機応変にやるのがいいと思います。
剪定の途中、休憩しながら眺めて手直ししたり、切り終わってからの確認は必ずしましょう。
切り方は2種類のイメージがありました。
- 株全体を一本の木として見る
- 株ではなく、一本の幹に分けて見る
株全体なら細長い丸のような形になり、一本一本の幹を分けて見るなら形は揃わないけど奥行きが出ます。
不要枝は木にとっていらない枝なので、全部切ってもいいけど「仕上がりのイメージによっては残す」場合もあります。
切る時の手順は
- 不要枝を下から上に切っていく
- 剪定は上からやる
- 株の中の小枝は全部切る
- 不要枝を下から上に切っていく
- 剪定は上からやる
- 株の中の小枝は全部切らずに間隔を見て残す
どちらの切り方も手順は変わりませんが、3.だけ切り方を少し変えます。
1.不要枝を下から上に切っていきます。
切る順番の例えは、やご・ひこばえ→徒長枝→枯れ枝→立ち枝
この順で切っておくメリットは
- 邪魔な枝がなくなり、手元が見えやすくなる
- 仕上がりのイメージの輪郭が分かりやすくなる
- 脚立を立てる時に、木に近づけやすくなり安全になる
2.剪定を上からやる理由は
- 高さが決まると幅も決めやすい
- 切った枝が引っかかっても落としながら作業できる
- 脚立が当たって枝が折れてしまっても手直しができる
- 木の周りを一周すれば、引っかかりもなく剪定が終わる
株立ちは剪定が難しいけど終わった後に、自分で満足したり人に褒めてもらえるとやる気が出てくると思います。
失敗を恐れずに剪定して大丈夫です。
木が枯れない限り必ずまた伸びるし、いくらでも直すことができて形を作り直すこともできるからです。
そう考えておけば剪定が少し気楽にできるかもしれません。
気持ちの問題ですが大事なことだと思います。
まとめが長くなってしまいましたが、これを覚えておけば一本の木でも株立ちでも大きさに関係なく剪定ができるようになれると思います。
このブログでは庭に関することを書き進めています。
ホームに行っていただくと、使う道具や手入れについてまとめてあります。
見ていただいた方の力になれるようなるべく分かりやすく書こうと思っていますので、あなたの知識や技術にしていただけたら嬉しいです。
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