石組みをして庭に線を引いくことで、用途を分けることができるので色々なことに使えます。
レンガを使った花壇や、石を使って防草シートの上に敷いた砂利がこぼれないようにしたり、植木を引き立たせるために置いたりと使う人の考え方できれいに見せることができます。
これらをやるために必要な石の組み方の基本的な考え方や、良い例悪い例と注意点など、難しいことは言わず簡単に、感覚的にわかるように書いていきます。
この記事は、初心者の方でもできる手で持てるくらいの石を使っての石の組み方になります。
画像は有り合わせの材料で作業をしたものです。
石の組み方・庭に石を並べて植栽エリアを作ってみよう
石組みの基本的な考え方
石組みで一番簡単な考え方は、縁(ふち)のラインを合わせることです。
画像では前のラインと高さを合わせています。
四角の石はラインを出すのが簡単にできます。
石の形が丸や自然のいびつな形だとしても、前のラインをなるべくまっすぐにすることできれいに見えます。
わざとラインと高さをそろえずにきれいな見た目を作るやり方もあるので、その場所に合った景観や作業する人の好みで自由な形にしてみましょう。
植木屋さんの言葉で「曲がりまっすぐ」という曖昧で便利な表現があります。
目の錯覚を利用して、あるはずのないラインを脳が勝手に作ってしまう現象の利用です。
石組の注意点・良くない例5つ
これらをやってしまうと見た目と用途の質が下がるため、逆のことをすればよくできると思います。
隣り合う石の形が似ている
決まった形の石や縁石(えんせき)を使う場合は大丈夫ですが、自然石の場合は同じような形の石が並んでしまうと見た目が悪くなります。なるべく形が変わるように選びましょう。
厚みがない
薄い石で高さをそろえようとして縦にしてしまうと、そこだけが弱々しく見えてしまいます。厚みがない物や形が悪いものは他の用途があるので縁取りでは使わないようにしましょう。
石と石の間に隙間がある
隙間があると土が流れてしまったり、石が動いてしまうし見た目も用途も悪くなります。隣の石と噛み合わせがないため、弱い部分になってしまいます。
石と石の合わさる面積がなるべく大きくなるようにするとしっかりするし、きれいに見えます。
土に埋めても、えぐれて見える
石を据えるときは地面に置くだけではすぐに動いてしまいます。
なので地面を掘ってから据えていくのですが、石を置いて埋め戻したときに下の部分がえぐれて見える(上が広く下が細い・隙間)のは良くないです。
石をクルクル回してみて違う形になるようにするか他の石を使いましょう。
優しく触って動く(揺れる)
優しく触っても動いてしまうのは、隣同士の石との噛み合わせが悪いのと、埋め戻したときに土が締め固められていない状態です。
土を突き入れるための棒を作りましょう。木の枝でも鉄の棒でも、金づちや木づちや石、軽くトントンできるものなら何でも大丈夫です。
使う道具と注意点を踏まえての手順
使う道具4つ
スコップで石を並べるラインを掘り、突き棒で石の下と前後の土を突き固め、こうがい板で整地をし、ほうきできれいに掃いて仕上がりなので、最低限の4つになります。
注意点を踏まえての手順
5つの注意に気を付けながら順序良く、なおかつ簡単にやっていきましょう。
「簡単に」というのは、意気込んでやると途中で悩んで手が止まってしまうので、ある程度気楽に楽しみながらやるという意味です。
初めての石組の手順はこんな感じならやり易いかなと思います。
2と3は感覚をつかむための練習なので、慣れてきたら石を1~2個づつ据えて仕上げていって大丈夫です。
据えていく途中でちょっと気になると思ったら3をやっていきましょう。
1.石を並べるラインに溝を掘る
ラインの引き方は自由なので、まっすぐでも丸でも何でも大丈夫です。
スペースと材料の許す限り自分の好きなように溝を掘って行きましょう。
溝を掘る深さは下準備としてなので、石が3分の1埋まるくらいにしておけば十分です。
掘った土は、手前に少しと奥にほとんどくらいに出しておくと、仕上げが楽になります。手前が眺める側で奥が植栽スペースです。
2.掘った溝の中に石を置いてみる
石を5個くらい組んでみましょう。その時に気を付けることは次の3つです。
1個1個の石の高さをみて、高すぎたら土を削り低すぎたら土を戻したりします。
えぐれて見えないように、合わさり具合を見ながら置いていきましょう。
適当に転がしただけだと石を組んだときに距離が縮まるし、合わさりが良くないときに石を入れ換える手間がかかります。
なので、最初から大体の感覚で組んでいった方が効率がいいです。
3.少し離れてちょっとだけ確認する
石を組んでいる途中で確認をしてください。
手元ばかりみていると視点が上からになるため、石と石がちゃんと組み合っているように見えても離れてみたら、5つの注意の例みたいになっちゃったりします。
全部を本格的に仕上げてから確認すると、真ん中辺だけ直す場合すごく難しくなります。間の一個の石を入れ換える場合、丁度の大きさや丁度いい形の石を入れないとだからです。
もしくは、変だと思う箇所の何個かを外してやり直すことになり、二度手間になります。
その手間をなくすために作業途中で確認するようにしましょう。
4.本格的に据えながら土を突き固めていく
高さと合わさり具合がバッチリなら、土を埋め戻して突き固めていきましょう。
突き固めるときは、片方からしっかり突くと石が動いてしまいます。
手前と奥と左右をバランス良く突きながら埋め戻しをしましょう。
この時に、植栽エリア側は石の高さギリギリぐらいで仕上げて、手前側はえぐれて見えないようにするときれいです。
エリアをしっかり分けている・土が流れないように留めている、このような役割を持たせながら景観を大事にできるといいですね。
5.整地をしてきれいに見せる
整地は最後の仕上げとしてかなり重要です。
組んだ石の周りがきれいになっていると、全体がスッキリして邪魔なものがなく見た目が格段に良くなります。
例えば、掘ったときの小石が表面に出ていたり、突き固めた時の凸凹がそのままになっていたりです。
小石も凸凹もなければ組んだ石だけが強調され見た目が完璧に近づきますね。
6.最後に眺めて、完成ならちゃんと満足する
完成したら眺めてみて「大変だったけど、形として残るものができた」と満足をしましょう。
点数をつける必要はなくて、自分で最初から最後までやり遂げられたことを高く評価する自己満足は次に繋がります。
完成したものを見てくれた人が褒めてくれたら、なお嬉しい気持ちになりますよね。
何かを達成したときの喜びを忘れないようにすることが、更なる好奇心になるため良いところも悪いところも含めていい勉強だったと思い吸収していきましょう。
ちょっとワンポイント
どうしても合う石がない時に
石の形は割る以外変えられないので、どうしても合わないならちょっした隙間を作って組んでしまいます。
その隙間は植栽でなくすことができます。
斑入りヤブラン(フイリヤブラン)やリュウノヒゲやハイビャクシンなどの常緑の地被類(ちひるい)を植えて、隙間を隠す・根で土が流れるのを留める2つの役割をしてもらいます。
石だけの景色に緑が入ると一味違った見た目になるため必要なテクニックになります。
なので、隙間があってもなくても地被類を植えることで緑が映えて格好もつくので、ポイントとなる部分に入れていきましょう。
まとめ
曲がりまっすぐ
脳が勝手に作り出すラインの錯覚を利用しましょう。
石を組むときや植木の手入れでも使えるテクニックなので、この言葉は覚えておいてください。
良くない例5つ
この5つに気を付けながら組んでいきましょう。
組んでいく手順
ライン掘る→石組み→埋め戻し→突き固め→整地(こうがい板)
この一連の流れを端からやっていくと、大きなやり直しなく最後まで1回で終わらせられます。
ほうきで掃くのは最後の仕上げで大丈夫です。小石がないようきれいに掃きましょう。
最後に満足をするのは、気持ちと技術の栄養としてですね。
1つのことを終わらせて、少しの達成感も感じないと残るのは疲労感だけなので、壊さない限り残るものを作り上げた達成感に満足して、次の技術の糧にしていきましょう。
今回は手で持てるくらいの石組みを書いてきましたが、次は「手で持てる石と持ち上がらないけど転がせるくらいの大きさの石組み」を書きますので参考にしていただけたら幸いです。
小さいところから慣れていき、楽しみながら自分の好みの庭にしたり、これから植木屋さん・造園屋さんになりたいと思ってる方の知識にしていただけたらと思っています。
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