前回の【剪定の基本】ほとんどの植木手入れができるようになるコツ【初級編①】に続いて
今回はその剪定の基本を使うための「剪定前の仕上がりイメージと剪定後の将来のイメージ」についてです。
切り方が分かっても、一枝や全体のイメージが湧かないと切りにくかったりします。
剪定しても木が元気ならまたいっぱい枝が伸びてきます。
この二つのイメージができれば、剪定が格段に楽になります。
どうイメージしたらいいのかを、一つずつ見ていきましょう。
【剪定の基本】ほとんどの植木手入れができるようになるコツ【剪定前イメージ】
仕上がりのイメージ
仕上がりのイメージができたら、そこからはみ出している枝が不要枝・剪定する枝です。
どんな感じでイメージするかは大きく分けて二つ
・剪定後のイメージ
・透け具合
剪定後のイメージは輪郭を決めて、葉や枝の残し具合で風通しや日当たりを調節します。
葉が少ないのがいいなら不要枝は全部切って、多めがいいなら残す枝を決めながらやりましょう。
「この枝はいい向きに出てるから残して、形づくりや来年の剪定のために丁度いいかも。でもこっちの枝は要らないかな」
簡単にでも見ておきます。
はさみを入れる前に要らない枝・剪定する枝が分かっていれば時間の短縮になっていいですね。
不要枝を探す
不要枝の探し方は人それぞれで、剪定方法で変わります。
太い枝を切れば簡単に透かすことができますが、残して枝を作ることもできます。
こうなると不要枝を見つけるのが大変になってくるので、自分の中でルールを決めれば見つけられます。
・はみ出していると気になる?
・少しでも重なってるとヤダ?
・枝の向きは揃える?
・隙間の大きさはどのくらいがいい?
・幹は一本?複数?
この「?」を考えると自分の好みが分かるかもしれません。
例えば、幹が一本のハナミズキの場合
「はみ出していてもいいけど、重なるのはやだ。枝の向きは大体揃えば大丈夫で、隙間は向こうの景色がチラチラ見えるくらい」
この場合は
「幹に近い不要枝は要らなくなり、枝と枝がぶつからない程度、枝の向きより全体像で葉も風通し良く木漏れ日が入るくらい」
このようにイメージをします。
それだけで見え方がだいぶ変わると思うので、剪定の目標を決めましょう。
葉の濃さ・透け具合
- 葉の濃さ…枝・芽の数
- 透け具合…必要な枝の数
枝・芽の数が多ければ濃く見えます。
不要枝ではないと感じる枝が多ければこれも濃く見えます。
この二つのバランスで、そこにある木がどう見えればきれいかを自由に操作できてしまいます。
自分の手と感性で理想の具合を作ってみましょう。
剪定後の将来のイメージ
今の形が理想なら、そこできれいを維持する手入れが最適だと思います。
維持する剪定なら、不要枝も見つけやすいし枝先をきれいにして、全体の形の統一感を大事にします。
庭全体のバランスを見てみても良いと思います。
剪定前の仕上がりイメージより外
剪定前の状態にもよりますが、感覚的に「かなり伸びちゃったなぁ」と感じたら一度切って、伸びたところが仕上がりになります。
あまり伸びていない木の剪定でも、目標に向かって枝を育てる場合はイメージより外になると思います。
剪定後も枝は伸びるので枝の向きを気にしてみましょう。
残した枝の伸びる方向
伸びる方向をなんとなく予想してみましょう。
伸び方は、
・枝の向き
・芽の向き
・木の勢い
・木の性格
・日当たり
色々な条件がありますが、その木のある場所でも変わってきます。
基本的に枝や芽の向きは、幹から外向きに揃えます。
揃えると次の手入れがかなり楽になり、伸び方も外に伸びやすいので予想もしやすくなります。
予想ができれば全体のバランスも見えやすくなるので、直感的にどこを切ったらいいかわかるようになれます。
もし枝を垂らして作りたい場合は、真下向きの枝を残すのではなく、枝の横から出る2本を残します。
それを育てながら垂らしていきますが、ここで関係するのが木の性格です。
残した若い枝がどのように伸びるかが性格の違いです。
性格の違いについては長くなってしまうので、違う記事で書いていきます。
若い枝の具合
残そうとしている枝の具合を見てみましょう。
太すぎたり長すぎたりしない方がきれいになりやすいです。
幹から伸びていて、枝の先まで枝分かれがないことを「間延び(まのび)」といいます。
間延びは見た目が悪くなりやすいです。間延び対処法は、
- 途中の小枝を残し、育てる
- 途中の小枝から先は切る
- 元から切る
このような事をして、枝の具合を直し見た目を改善していきます。
残す枝が太いと感じる場合は、若い芽や若い枝を残していきましょう。
- 太い枝を途中で切らない
- 若い枝がある付け根で切る
- 複数ある若い枝は、残す方向と本数を決めて切る
この3つに気を付けるだけで細い枝が残り、見た目が柔らかくなると思います。
柔らかくはなるけど枝数が増える分、葉の濃さにも影響してきます。
葉の濃さ・透け具合
仕上がった時の透け具合を確認してみましょう。
もし、色がちょっと濃いと感じたらほんの少し枝を抜くだけで、かなり変わります。
元から抜くか、途中から抜くか決めます。
途中から切る場合は、葉・芽のあるすぐ上で抜いていきます。
元から切る場合は、枝を互い違いにしたり小枝の本数を減らすことが目的です。
これをやるだけで葉の数が半分くらいになり、かなり透けてきます。
途中確認しながら抜いてみてください。
木は切ったら戻らないけど、一年後には同じように伸びるので、硬くならずに楽しんでみましょう。
まとめ
今回はイメージについて書いてみましたが、これができるようになるとものすごく楽になります。
剪定する木を眺めるとパッと見で、「このくらいの大きさ・透け具合にすればきれいになりそうだ」と、なんとなくの仕上がりが見えてきます。
そのイメージを元に、不要枝が決まって枝先の剪定の具合へ流れがつながります。
この流れのまま剪定して、剪定後の仕上がりと将来の形をイメージしてみて、必要なら確認しながら手直しをしてみましょう。
これを毎年繰り返して形を作ってみると、楽しくなってくると思います。
植木手入れは体に疲れが溜まりやすいので、必ず休憩しながら作業してください。
無理をしてケガをしないように心がけましょう。
「安全な脚立の立て方」を書き終えたので下の記事も参考にしていただけたらと思います。
安全に関する考え方もまとめてみました。
下の記事は、道具についてまとめてみました。
コメント