【ヒマラヤスギ】高さを下げる剪定と刈り込み【同系統の木も同じです】

ヒマラヤスギ・剪定作業前
剪定作業前
ヒマラヤスギ・剪定・葉の残し具合
剪定例

上の画像のヒマラヤスギは約3年おきに毎回同じような手入れをしています。
植えてある場所が半日陰なので、1日中日向にある木よりは少しだけ伸び方が落ち着いていると思います。

ヒマラヤスギは剪定や刈り込みで円錐形にしたり、刈り込みで枝ごとに玉を作って玉散らしや円筒形などにして恰好を作ります。

どちらも統一感があってきれいに見ることができるので、どんな形にしたいかは好みで決めてみましょう。

今回の記事は、高さを少し低くしてなるべくきれいな円錐にする方法と刈り込みについてまとめていきます。

この方法はヒマラヤスギに限らず、同系統の樹種や形づくりでも使うことができます。

最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくるとあまり悩まずに手が進むと思います。

ヒマラヤスギの特徴→剪定方法と注意点の順で書いていきますね。

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【ヒマラヤスギ】高さを抑えて三角に剪定するやり方と刈り込みでの形づくり

特徴

ヒマラヤスギはこんな木

・分類   常緑針葉樹
・実    松ぼっくりのよう
・仕立て方 自然形(円錐・三角)、散らし玉、円筒形など自由
・大きさ  自然では40m以上 剪定で小さく保つ
・耐陰性  強い
・耐寒性  強い
・耐剪定  強いが葉を残す
・虫    普通

ヒマラヤスギは成長がかなり早いので、形を保つためには毎年1回剪定しなければすぐに大きくなってしまいます。

自然形の場合、2~3年に1回の剪定も可能ですが枝が太くなり長さもあるため、作業がやりづらくなったりケガや事故の危険が増えたりします。

それと、大きくさせないためにも毎年手入れをして幹の近くから出る新しい枝を枯れさせないようにすると、良い枝を選んで剪定できるのできれいな状態を保つことができます。

植える場所は、広くて建築物や埋設物がないところにすると管理がしやすくなり、根が張って物を壊したりするリスクをなくせます。

日向に植えるとすごく元気よく枝を伸ばし幹も太りやすいため、あまり大きくしたくない場合は狙って日陰に植えるのもアリかなと思います。

剪定には強いため小さくするための切り戻しもできますが、葉がなくなるとその枝は枯れてしまうので注意が必要です。

少し葉が残る程度まで切れますが、葉を残せば残すほど枯れる危険がなくなります。

虫は主にマツカレハ(松毛虫)がつきます。
皮膚に触れると痒みがあったり少しヒリヒリするので触らないように駆除しましょう。

皮やゴムの手袋をしていれば触れても大丈夫ですので、虫に強い方なら叩き落として潰すこともできます。

ヒマラヤスギは、、

・成長が早く大きくなる木なので植える場所は建物・埋設物から離し、手入れや消毒がやりやすいように植えた方が良い
・成長を遅らせたい場合は日陰に植えるのもアリ
・自然形の三角錐にする剪定や玉散らしの刈り込みで恰好を作れる
・新芽が鮮やかな緑できれい

こんな感じかなと思います。

庭の雰囲気に合わせながら植える場所に気を付けて育ててください。

自然形の剪定・透かし方・切り具合と残し具合

剪定は意外と気を使わなくても大丈夫です。

やり方を書いていきますね。

円錐形・三角を目指す(自然形)

剪定の基本を簡単に言うと、3本もしくは複数ある枝の真ん中を切ることと重なっている枝はどちらかを短くするか元から切ることです。

ヒマラヤスギ・剪定・枝の残し方
枝の残し方の例
ヒマラヤスギ・剪定・重なりを無くす
いらないと思う重なりを元から切る

この方法を軸として画像を貼りながら書いていきます。

この場合の方法は2つあります。

・切り口で合わせるのではなくて、残した枝先で形を作るイメージ
・飛び出している枝先を切って揃える

切り口で揃えるとピシッとした刈り込みに近い状態になります。

それもきれいですが、自然形の感じが少し薄れてしまいますよね。

その感じにならないために、切り口の脇から出ている新しい枝先で輪郭を作るようにします。

切り方

最初に高さが決まると三角形が見えやすくなります。

頂点が決まればそれを基準に横幅を合わせられるからですね。

ヒマラヤスギ・剪定・高さを低くする
下げる高さは自由です

枝の残し方の例の切り方は、他の木でも使えて枝先で輪郭を作りやすくできるので見た目がきれいになりやすいかなと思います。

感覚的に慣れが必要なので難しいですが、なるべく簡単にするコツは枝先を気にしすぎないことです。

枝先を揃えることに気を取られると、視野が狭くなりそこしか見えなくなってしまいます。

手入れしている枝全体や上下左右の枝を見ながら視野を広くするのがとても大事です。

枝を切る時は、元から切って脇から出ている新しい枝は切らないようにすると自然形が作りやすいです。

ここで気になるのは、「切り具合ってどのくらい?」というのが気になってくると思います。

それについて書いてみますね。

切り具合

ヒマラヤスギ・剪定・葉の残し具合
葉の残し具合の例

切り具合の違いの例を貼りましたが、どちらでも大丈夫です。

木の元気と切る人の好みで決めてみましょう。

木の元気は、新しい枝が勢いよく伸びていたり葉の色が良かったりで判断していきます。

判断の材料として、、

・剪定する前に葉の色、枝の伸びの強さを見る
・自分の中で弱めに切った、もしくは強めに切った次の年にどのくらい伸びたか
・新しく伸びた枝葉の色が鮮やか

などの判断材料があります。

伸びが良く元気なら強めに切っても大丈夫な可能性が高くなり、伸びが弱かったり葉の色が悪い場合は弱めに剪定してみると良いと思います。

それと、幹の近くの方に新しい枝が出ていれば残しておいて、それを育てることで新しい主な枝を作ることができます。

このように枝の数の調整もある程度は可能なので、残したい枝・切りたい枝・作りたい枝を選びながら剪定ができます。

「元から切ろうか迷っちゃうなぁ」と感じたら、とりあえず今回は残しておいて次の手入れの時に判断しても大丈夫です。

伸びてみたら「やっぱりない方が良いかも」とか「残しておいて良かった」と、その時の状況で決断ができるから悩み過ぎないように手入れしてみましょう。

刈り込みで形を作る

刈り込みばさみやヘッジトリマー(バリカン)で刈り込んで形を作る場合は、剪定ばさみで枝を切るより簡単です。

形の種類は、、

・円筒形
・円錐形
・玉散らし

などがあります。

円筒形と三角錐は、刈り込むときに目標とする形を目指して輪郭を作っていきます。

玉散らしは、最初から形が決まっていれば枝ごとに丸く刈り込めば大丈夫です。
自然な形から作る場合は、玉にする予定の枝以外を全て元から切ります。

ヒマラヤスギ・刈り込み・形の作り方イメージ
形になっていくイメージ

イメージはこんな感じです。

出来上がりまでに結構時間はかかりますが、作業的にはそれほど難しくはないので「やってみたいな」「やってみようかな」という遊び感覚で試してみると面白いと思います。

刈り込みのコツ

刈り込み手入れ・ヘッジトリマー
刈ったら落とす

どの樹種でも共通する刈り込みのコツは、葉が残るくらいのところで刈り込んで「刈ったら落とす」ことです。

刈り込んで引っかかったままのゴミは乾くと黄色っぽくなってすごく目立ちます。

形がきれいだけど引っかかりで汚く見えてしまうので、刈り込んだら落とす・また刈り込んで落とすを繰り返すとやりやすいです。

刈り込みが終わるまで刈り続けると、刈り込んだゴミを刈り込んで細かくなって落としにくくなったりゴミの数が増えて片づけの手間も増えてしまいます。

ヘッジトリマーでも同じで、1回刃を通したらゴミを落としてを繰り返すと引っかかりもなく楽に作業を終わらせられます。

葉の残し具合

葉の残し具合はどのくらいがいいかは、、

・強め…木の向こう側の景色がちらちら見えるくらい
・普通…新しく伸びた枝より少し中で刈るイメージ
・弱め…新しく伸びた枝を刈り込んで形が整うくらい

大体この3つの具合でやっていきます。

強めに刈る場合は、葉がなくなる枝があっても新しい枝葉を出すことができる樹種で使います。

普通と弱め葉がなくなると新しい枝葉を出すことができない樹種で使います。

なので、針葉樹のヒマラヤスギの場合は普通~弱めの刈り方で調整するようにすると、毎年同じ大きさのまま手入れができると思います。

前回の切り口に合わせて切るのが分かりやすいです。

小さくしたい場合は、毎回の手入れで前回刈り込んだ切り口よりほんの少し下で刈ることを繰り返していきます。

イメージは、切り口の下の方から新しい枝が伸びてその枝と入れ替わりながら少しずつ小さくなっていくような感じです。

一気に小さくするより手間はかかりますが、木が枯れるかもしれない心配はなくなります。

まとめ

長くなってしまったので大事なところだけまとめていきます。

植える時の注意

・かなり大きくなる
・成長が速い
・幹が太くなり根も張るため植える場所は広さが必要

高く伸びながら横幅も広がっていくので、家の近くや敷地の端の方に植えると枝がぶつかったり枯葉や枯れ枝が敷地外に落ちてしまいます。

また、幹が太くなり根も長く張るので、ブロック塀や埋設物を根で押して曲げたり壊したりする心配と、重機を使ってその木を掘る時に重機で何かを壊してしまう危険があります。

なので、植える場所は境界線から離れた位置で水道管などの埋設物がない場所に植えるようにしましょう。

剪定と刈り込み時の注意

・ヒマラヤスギは葉がなくなると枝ごと枯れる
・切りすぎを心配する場合は、新しい枝や葉を多めに残す

感覚的で分かりづらいと思いますが、剪定の時は向こう側の景色が見えて上下左右の絡んでいる枝が少なければかなりきれいに見えると思います。

切り具合のところで貼った画像がこんな感じです。

枝枯れを心配する場合は、幹に近い新しい枝は切らないようにしておきます。

その枝が伸びれば次の手入れの時に活かせます。

枝を入れ替える時もやりやすくなりますね。

剪定(自然形)

・剪定は3本もしくは複数ある枝の真ん中を切ると楽
・自然形は切り口ではなく枝先で揃えていくイメージ
・枝先をあまり気にし過ぎなくて大丈夫
・上下左右に絡む枝は元から切ると今も将来もきれい

ここで大事なのは、上下に絡まないことです。

枝が垂れ下がってぶつかる枝は、元から切るか枝分かれの真ん中を切って下の枝に当たらないようにします。

真上に伸びる枝は、形が崩れなければ元から切って大丈夫です。

元から切る時の注意は、その枝がなくなって空いた隙間を埋める新しい枝があるかどうかです。

切るか切らないかのイメージは、切ったら空いてしまう隙間の方を向いている枝があれば切って、枝が無ければそのまま手入れをするようにします。

基本的には元から切った方がきれいになりやすいですが、どうしようもない時はとりあえず途中の枝があるところで切って合わせていきましょう。

ヒマラヤスギ・剪定・枝を切る位置の違い
枝を切る位置の違い
刈り込み(玉散らし・三角錐)

・目標の形に近づけていく
・一度刈り込んだら、その切り口に合わせれば大きさを保てる
・小さく刈り込みたい場合は、前回の切り口より少しだけ中で切ることを毎年繰り返す

ちょっと離れたところから見て「このくらいの大きさでこんな形ならいいな」と思うところで刈り込みます。

目の前で見ると分かりづらいので眺めてイメージしてみましょう。

どのくらい切れるかの判断材料

・その木が元気か見てみる
・枝の伸びに勢いがあり、強い枝と弱い枝がたくさん出ている
・葉の色が悪かったり、枯れ枝が増えたと感じる
・一部葉が薄かったり新しい枝に葉が少ない場合、毛虫がいる可能性が高い

こんな感じで判断しますが、あまりにも元気がない場合は手入れしないで様子を見るのもアリだと思います。

意外と復活するかもしれません。

虫に食われてほとんどの枝の葉が黄色くなったヒマラヤスギが、何事もなかったかのように元通りになったこともありました。

たまたまその木が強かっただけかもしれないですが「やばそうだなぁ」と思ったら様子を見て、どうにするかを後で決めるのでも良いかなと思います。

今回の剪定方法は他の樹種でも使えると思うので、いろいろ試してみてください。

ここに書いてあることが正解ではなくて、人それぞれの感覚や感じ方があって基本から少し外れたとしてもそれが個性と思えるのが楽しみになると思います。

失敗しちゃっても大丈夫で、遊びながら学ぶのは子供も大人も同じだから気持ちに余裕をもってやってみましょう。

自分の手入れを確立するのと木の形が整うのは結構楽しかったりするので、疲れないよう遊び感覚で手入れをしてみてください。

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