ハナミズキの剪定 基本の手入れで簡単!きれいに仕上げるコツ

手入れがちょっと難しいハナミズキですが、基本の剪定方法でかなり見た目が変わるので、切り方のコツをイラストや写真を使って解説します。

基本の剪定方法を簡単にまとめると

気を付けるポイント
  • 不要枝(ふようえだ・剪定のところで図解)を切る
  • 枝が3本あったら真ん中をきる
  • 切る時はきれいに元から切る

この3つは、他の木の手入れでも使う基本なので、これを意識して剪定するだけできれいになります。

でもこれだけでは形を作ることが難しいです。

きれいな形を作るための知識は

形づくりのポイント
  • 残す枝の向きを揃える
  • 一本の木は枝の集合体
  • 切るばかりではなく、残す枝もある
  • 成長をなんとなく予想

このようなことに気を付けながら剪定していくと、自分の思うきれいな形にすることができます。

木の形や剪定の具合は「やる人や見る人で好みが違う」ので、自分の気に入った手入れを探していきましょう。

では、ハナミズキの特徴と形をきれいに作る剪定などを書いていきたいと思います。

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ハナミズキの剪定 基本の手入れで簡単!きれいに仕上げるコツ

落葉樹・ハナミズキ赤白
ハナミズキ 赤・白

最初に特徴と剪定時期の目安を簡単に書きます。

特徴

  • 花の色  赤・白・ピンク
  • 実の色  赤
  • 仕立て方 自然形
  • 耐陰性  普通
  • 耐寒性  普通
  • 耐剪定性 普通
  • 虫    多い

4月中旬~5月頃に花をつけて、9~10月頃に実を見られる木です。

ハナミズキはアメリカの木で、同じ仲間のヤマボウシは日本に自生していました。

耐寒性・耐陰性はともに普通なので一日中日陰でなければ普通に成長をしてくれるので、植える場所も選びやすいです。

成長も普通で伸びないわけではないけど、グングン伸びていくわけでもないので、大きさを保つ手入れは年一回で大丈夫です。

剪定は強い切り方はできるけど注意が必要格好を作るのは難しめ新しい枝は柔らかく切りやすいけど、太くなると固くなるので切るのが大変です。

剪定の時期

基本的に木が休んでいる12~3月くらいが良いと思います。

剪定の目安の時期は12~6月までで一番いいのは2・3月です。

4~6月は剪定可能な時期なので、冬に時間がとれず手入れが出来ない場合はこの時期でも大丈夫です。
このぐらいの時期にはアメリカシロヒトリイラガ(デンキムシ)が発生し始めるので虫が苦手な方にはおすすめはできません。

なので、12~3月が虫の被害もなく木にも優しい時期になります。

風が強い日は危ないし真冬で寒いので、怪我をしたり体調を崩さないよう晴れてて静かな日に手入れをしてみましょう。

剪定に使う道具

使う道具は
  • 木ばさみ
  • 剪定ばさみ
  • ノコギリ
  • 脚立(木の大きさに合ったもの)
  • ブルーシート(砂利や下草がある場合)
  • 熊手・ほうき・み(ちりとり)

木ばさみ・剪定ばさみ・ノコギリの3点セットは腰道具(こしどうぐ)といいます。

脚立は木の大きさに合ったものが使い易いので、確認してから買うようにしましょう。

熊手・ほうき・みがあれば片付けが楽になるので揃えておいた方が良いです。

道具に関しては下の記事にオススメを含めてまとめておきましたので、参考にしていただけたらと思います。

手入れをする前に仕上がりをイメージする・不要枝を探す

全ての樹種で手入れをする前には、この2つをやっておくと剪定が簡単になりやすいです。

仕上がりのイメージ

剪定イメージ
仕上がりのイメージ

どの木でもイメージが大事になります。

なんとなくでもどのくらいの大きさにしようか決めておくと、枝を切る位置が分かりやすくなります。

いきなり切り始めると大きさが分からなくなり手が止まってしまうことがあるからです。

なので「この辺かなぁ」くらいのラフなイメージでもしておくと気持ち的にも楽になります。

不要枝を探す

不要枝の種類
不要枝の種類

手入れをしていないハナミズキの場合は全ての不要枝に気を付けながら見つけてみるとやりやすいです。

見つけられたらそれはいらない枝の可能性が高いです。

最初に書いたように、場合によっては残す枝もあるので明らかにいらない枝を探しておきます。

切る時は元からきれいに切るようにしてください。
短い枝が残ることを、「はぎりぐそ・切りやすいところで適当に切った」という悪い例えがあるだけでなく、次回の手入れの時に邪魔になり剪定をめんどくさくしてしまいます。

なので、幹や枝に添ってきれいに切るようにしましょう。

作業を流れよく終わらせると体の負担も減らせるし、不要枝をざっとでも先に見つけておくと後が楽になります。

下の記事では剪定をなるべく簡単にする基本を書きましたので、知識にしていただけたら嬉しいです。

簡単な剪定方法 

剪定の基本は「三本枝があったら真ん中を切る」ことです。
これだけできれいな透かし方ができるようになります。

この基本を使いながら、4つのことに気を付けながら剪定をしていきます。

  • 残す枝はほぼ外向き
  • 一本の木は一枝ずつ仕上げる
  • 切るばかりではなく残す枝も考える
  • 成長の予想

これらを臨機応変に使いながら剪定をしていくときれいな仕上がりや、自分の好きな形づくりができます。

1つずつ解説していきます。

残す枝の向きは揃える ほぼ外向き

残す枝は基本的に幹から見て外向きに残していきます。

基本的にというのは、枝の作り方の場合によって変わってくるからです。

まずは外向きに揃える手入れ

枝の向きを揃えると、統一感が出て一本の枝もきれいになるし、一本の木としてもきれいな見た目になります。

同時に虫の住みにくい環境を作り、虫の発生を抑える効果があります。

枝が込み合って絡んでいると虫が住みやすいし、卵を産んでも見つかりにくいため、剪定で隙間を空けて風が通るようにしましょう。

そうすることで枝と枝の隙間もある程度均一になって全体の形も整います。

どこで切るかは仕上げたい大きさで変わります。

ハナミズキ・枝は外向き
枝の先が幹から外向きに揃っているときれい

こんな感じに手入れしていくと、だいぶ違ってくると思います。

基本の剪定はこれの繰り返しになりますが、枝に厚みを出したい時は次のように枝を残しつつ剪定していきます。

ハナミズキ・枝の違い
残す枝で形を変えると違う見た目にできる

このように剪定の方法を変えると形が変わるので、好みでやってみましょう。

では、ほぼ外向きというのはどんな時どのように残すのかを考えてみます。

例外の枝の残し方

例えば、狭い場所に植えてしまった場合に枝を短くしたいけど、短く切ると新しい芽がなくなってしまう場合です。

その時は次のように残すと少しづつ小さくしながら形を作れます。

ハナミズキ・枝が近い時
枝を残す場合は新しい枝を残して小さくしていける

この場合は枝をなくしたくない方法ですが、剪定がやりづらかったり邪魔になってしまうなら元から切ってもいいと思います。

枝を幹から切る時は、「ブランチカラー」に気を付けて切ると木が弱りにくいです。

ブランチカラーとは、幹と枝の付け根の木を作る組織が集中しているところなので、幹ピッタリで切ると組織がなくなり腐りが入りやすくなります。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

一本の木は枝の集合体 一枝ずつ仕上げる

一本の木として輪郭を揃えていくのもきれいになりますが、少し見方を変えて「一枝に一玉」になるように仕上げるのも違った良さがあります。

仕上がりのイメージに近くなるように一枝ずつ仕上げるので、輪郭がピシッと揃わないため絵に描いたような仕上がりになりきれいです。

ハナミズキ・剪定イメージ
へこんでいても、出っ張ってても一枝一玉なら気になりにくい

剪定する時はこんな感じで、横に二枝残すようにして形を作っていきます。

木の上の方は上向きや横向きの枝を使い一枝ずつ仕上げていきます。

下に行くにつれて、垂らしながら厚みを作るときれいになります。

ハナミズキは幹に近い中の方の枝が枯れやすいため、大きな隙間ができてしまったら新しい枝を作りましょう。

切るばかりではなく残す枝もある 形づくり

幹から出ている主な枝がなく、隙間が大きく空いてしまってる場合は新しく枝を作りましょう。

枝を作り、形を整える時の注意点

  • 並行枝・交差枝にならないようにする
  • 枝の間隔を見る
  • 作る枝が枯れないようにする

この3つに気を付けながら作るときれいにできます。

丁度いい枝がある時

不要枝の並行枝・交差枝にならないように、枝の間隔を見ながら作ります。

ハナミズキ・枝の作り方
幹や枝の途中から出ている新しい枝を残して育てる

上の画像のように幹から丁度良く新しい枝が出ていれば、その枝が枯れないように日当たりが良くなるように、上の枝を剪定しましょう。

極端に透かす必要はありません。
一年後には結構太くなり枝分かれもできるので、仕上がりのイメージまで育てて形を整えるときれいになります。

丁度いい枝がない

幹から中々ちょうどいい枝が出ない場合には、枝を作り替え(入れ替える)をして、隙間をなくすこともできます。

ハナミズキ・枝を入れ替える
ブランチカラーに気を付けながら向きの良い枝と入れ替える

こんな感じで、普段は不要枝として見る枝を残して育てて、太くなってきたら切り戻して形を作ります。

このように形を作り替えることができるということは、木は自分の思う自由な形に作ることができると感じられます。

剪定はこうでなければならないと思わずに、基本さえ守っていれば自分の好きなように手入れをしていいと考えておき、自信をもって作業してみましょう。

育てている木の形を想像しながら手入れをする中で、成長を予想しながら枝を切ったり残したりして仕上がりを目指します。

成長をなんとく予想 枝の伸びる方向

ハナミズキ・枝の成長を予想
剪定前や剪定後にどのように伸びそうか予想しながら作業

外向きに枝を伸ばしていく途中経過を予想や想像すると、理想の形に近づけることができます。

不要枝にならないような枝の選び方です。

これは剪定をする大事な練習になります。

この想像力を養うと、木を見た瞬間に何通りもの剪定方法や切る位置が分かるようになるためです。

剪定を始める前から片付けの終わりまでの流れを想像できるため、流れよく作業をすることができるので効率も良くなります。

  • 仕上がりのイメージをして
  • どこに脚立を立てやすく安全に手入れできるか
  • その木に合った剪定をどのようにするか
  • 片付けの順番はどのようにするか

枝の伸び方の予想や想像1つから、このような流れも考えられるようになります。

伸ばしたくない方向に枝が伸びてしまうと、脚立が立てづらくなり危険になったり剪定の統一感がなくなりきれいな仕上がりにならないとか色々あります。

ハナミズキ剪定・安全な立て方
脚立が立てやすく剪定もやりやすい見た目の良い形を目指す

このような理由から、成長をなんとなくでも予想できるようになることが大事になります。

まとめ 剪定の考え方とやり方

ハナミズキは、木の剪定の中で難しい部類に入ると思います。

なるべく簡単にする手順
  1. 切る前に仕上がりのイメージをする
  2. 下から不要枝を切りながら一番上まで行く
  3. 枝先をきれいにする剪定は上からやる
  4. 切った枝が下の枝に引っかかったら落とす
  5. 脚立を動かす時や立てる時は、先に地面のゴミをどかす
  6. 同じように切り進め木を一周したら完了
  7. 片付けは熊手で奥から手前に集めてくる

手順はこんな感じでやると流れよくできると思います。

この手順の中で一番難しい剪定の考え方とやり方を簡単にする方法は

簡単にする方法
  • 枝分かれを見つける
  • 3本あったら真ん中を切る
  • 切る時はきれいに元から切る
  • 残す枝の向きは外向きに揃える
  • 一枝一玉で手入れをしてみる
  • 枝に厚みが欲しい時は上向き・下向きの枝も残し形を作る
  • 今は不要枝のように見えるけど、場合によっては残して将来の形づくりの枝とする

これらのことを剪定している途中途中で臨機応変に考えながらやると楽しくなります。

一枝のバランスと上下左右との枝の具合を見ながら剪定すると、一本の木全体のバランスを整えることができます。

枝が真上に伸びやすいハナミズキですが、少しづつ手直しをしながら枝を横に伸ばしたり垂らしたりできるので、遊び感覚で剪定に慣れていきましょう

このブログでは、剪定を初めてやる人のために揃える道具や手入れと片づけ方をホームにまとめてあります。
他には、石組みのやり方・木の植え方・支柱やロープの縛り方などを書き進めています。

読んでいただいた方の知識や技術にしていただけたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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